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NHK NEWS WEB 「変わるスクール水着 デザインや機能さまざま」(2019年7月5日付記事)を読んで〜哲学がない日本の水泳教育事情 #水泳ダイエット

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NHK NEWS WEBの公式Twitterアカウント(@nhk_news)が2019年7月5日(金)に「変わるスクール水着 デザインや機能さまざま」というニュースの投稿をしました。

日頃から水泳で体力を養い、水泳ダイエットというカテゴリを作って関連するブログ記事を書いている人間からすると、非常に興味深い見出しです。ですが中身を読んでがっかりです。

見出しのとおり、時代とともにスクール水着が変わってデザインや機能がさまざまであること自体は良いことだと思います。ただ問題はなぜその水着にしたのか、小学校ごとの「哲学」がないことです。ひょっとすると「哲学」があるかもしれませんが、記事を読んでいる限り「全く感じられません。

古橋廣之進の「泳心一路」

そこらへんを歩いてそうなおっさんがブーブー言ったところで説得力がありませんので、偉大な先人のお言葉を借りしましょう。以下は戦後の日本水泳界を支え、日本水泳連盟前名誉会長をつとめた古橋廣之進が「泳心一路」で水泳選手に対して以下のメッセージを残しています(「水泳指導教本 三訂版」のP12から抜粋)。

  • 魚になるまで泳げ
  • 速く泳ぐだけなら、魚に勝てない
  • 努力の前に壁はない
  • 「集中」を思い定めたら打ち込む
  • 逆境こそが進歩の母
  • 根底に哲学をもて

「体育」の授業における水泳とは?

一方、NHK NEWS WEBの記事を読むと最後の方に以下の記述があります。

例えば、渋谷区内のある小学校では、色は紺か黒と指定しています。形は女子用では「オールインワン型」のほか、「セパレート型」も許可する一方、スカートが付いているタイプは、体育の授業にはそぐわないと、禁止しています。

「体育の授業にはそぐわない」とありますが、その「体育」とは具体的に何を指しているのでしょうか?旧・日本海軍の水兵となるような人材を育てることでしょうか?

国民の心身の健全な発達と明るく豊かな国民生活

ところで2011年に定められた「スポーツ基本法」の第1条では、法律の目的として以下のように明記されています。

第一条 この法律は、スポーツに関し、基本理念を定め、並びに国及び地方公共団体の責務並びにスポーツ団体の努力等を明らかにするとともに、スポーツに関する施策の基本となる事項を定めることにより、スポーツに関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって国民の心身の健全な発達、明るく豊かな国民生活の形成、活力ある社会の実現及び国際社会の調和ある発展に寄与することを目的とする。

ここで特に重要な記述は「もって国民の心身の健全な発達、明るく豊かな国民生活の形成」の箇所です。明るく豊かな国民生活を形成するために、「魚になるまで泳ぐ」か「アクアウォーキングをする」のどちらが重要かは個人のキャリアや体力の問題に関わってきます。

水泳を教える小学校に何の「哲学」もなく、スカート型のスクール水着を否定するのはいかがなものでしょうか。

スクール水着にも「哲学をもて」

私の体にとっては「魚になるまで泳ぐ」ことが、心身の健全な発達を促し、明るく豊かな生活を送るために必要なころであると信じています。もちろんそれはあくまで私個人の考え方です。小学校の授業にその考え方を取り入れろというつもりはサラサラありません。

「魚になるまで泳ぐ」は、水の中でも汗が流れ出すことを感じるぐらい泳ぎたい人だけに任せておけば良いことです。ただ古橋廣之進が「泳心一路」で残した6番目のメッセージである「根底に哲学をもて」ということは、小学校で水泳を指導する方にもぜひ心がけしてほしいものです。