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「割り勘アプリ」が金融規制の対象へ。金融審議会「決済法制及び金融サービス仲介法制に関するワーキング・グループ」(第2回)議事次第より

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金融庁は2019年10月24日(木)に金融審議会「決済法制及び金融サービス仲介法制に関するワーキング・グループ」(第2回)議事次第を同庁のWebサイトにおいて公開しました。

その審議会の内容が公表されたことで、2019年10月24日(木)付の日本経済新聞でも「割り勘アプリを登録制に 金融庁、利用者保護狙う」という見出しの記事が投稿されています。

「割り勘アプリ」が金融規制の対象に

この金融審議会で検討された課題の1つとして「割り勘アプリ」のあり方です。アプリの利用状況を鑑みて、サービス提供事業者を資金決済法にもとづく資金移動業者に位置付ける方針になっていることが明らかにされています。

つまり金融庁は「割り勘アプリ」の会社を金融規制の対象事業者にして、金融庁がサービスの動向を監視できる会社にする意向です。

「割り勘アプリ」の問題点

民間事業者を「官」の監視対象とすることはそれなりの大義名分となる問題が必要です。下記の図は「割り勘アプリ」のサービス概要図で、この図を見ると(金融庁が主張する)大義名分が存在します。

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このサービス概要図において、もし「割り勘アプリ」のサービス提供事業者が倒産したり、資金の持ち逃げをした場合、債権者は債務者からの割り勘の代金を回収ができなくなります。

「債権者とは個人で一般消費者である。個人の私有財産は法律で守らなければならない」。これが金融審議会の主張です。

収納代行業者との比較

「割り勘アプリの債権者は個人で一般消費者である。個人の私有財産は法律で守らなければならない」と言うだけでは、なぜ法律の規制対象になるのかピンとこないかもしれません。

債権者が事業者である収納代行サービスの概要

ピンとこない方は収納代行業者のサービスと比較すると理解が進むと思います。下記は収納代行業者のサービス概要図です。

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収納代行業者のサービスは財やサービスの決済サービスを提供します。したがって「割り勘アプリ」とは提供するサービスが異なりますが、債権者・債務者・サービスの提供者の三者の間で行き来する債権・債務の流れがよく似ています。

債権者が事業者である収納代行業者は「OK」

ただし先に示した「割り勘アプリ」のサービス概要図と異なる点は、債権者が事業者であるか一般消費者であるかと言う点です。

債権者が事業者である場合、金融審議会は「問題なし」との見解です。なぜなら業務として行う商品売買には債権が回収できないことは、事業を始めるにあたってのリスクであり、事業者はそのことを折り込んで事業を行なっていると考えられるからです。

したがって金融審議会は「債権者が事業者である収納代行サービス」は「問題なし」との見解を示しています。

債権者が個人である収納代行サービスは「グレー」

ちなみに同じ収納代行業者でも債権者が個人(一般消費者)である場合は、問題視されています。下記は債権者が個人である場合の収納代行業者のサービス概要図です。

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債権者・債務者・サービスの提供者の三者の間で行き来する債権・債務の流れは、「割り勘アプリ」とまったく同じです。個人は商品売買を業務として行なっているわけではないため、金融審議会では「保護の対象」と考えられています(ただしエスクローサービスをしている場合は除く)。

収納代行サービスを使った「割り勘」について

以降の文章は個人的な意見です。たまに債権者が事業者である収納代行サービスを使って、割り勘をする人を見聞きします。

第1回と第2回の金融審議会「決済法制及び金融サービス仲介法制に関するワーキング・グループ」が示した見解をからすると、債権者が事業者である収納代行サービスを使って「割り勘」行為をすることは、「脱法行為」と見なされると考えられます。

債権者が事業者である収納代行サービスは合法ではありますが、収納代行業者は資金決済法に登録された事業者ではありません。したがって収納代行サービスで「割り勘」をする行為は現在の「割り勘アプリ」と同じく、金融規制の上で認められた行為ではないと推測されます。

収納代行業者を資金移動業者に「商売替え」をさせるデメリット

自社のサービスを使って「割り勘」行為が横行すると、債権者が事業者である収納代行サービスは、何らかの手段を使って自主的に「割り勘」行為を防ぎにかかるかもしれません。

またその自主規制をしても手に負えない状況になってしまうと、金融庁が強引に収納代行サービスを丸ごと資金移動業者に「商売替え」をさせることも考えられます。

収納代行サービスの「割り勘」はやめた方が良い

もし収納代行業者が資金移動業者に「商売替え」をすると、それまでの収納代行サービスを営んでいた事業者はコストがかさんで、一気に「重たいサービス」になることが予想されます(決済手数料が高くなる。サービスの改善が遅くなるなど)。

上述した日本経済新聞では、2020年の通常国会で資金決済法改正案の成立を目指すとされています。収納代行サービスを使って「割り勘」をする習慣がある方は、それまでにその習慣を断ち切った方が良いと考えます。