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CentOS7,PHP7,MySQL5.6でWordPressサイトを構築 その12(WP-CLIによるWordPressのインストールと初期設定)

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その11(新しいタブで開く)の記事ではLinuxコマンドの学習も兼ねて、手動によるWordPressのインストールと初期設定を行いました。ただし学習目的でやる分には良いのですが、手動によるWordPressのインストールは実務で素早くWordPressを立ち上げることが求められるときには向いていません。

そこでWordPressをコマンドから管理できるツールの、WP-CLIをインストールして、WordPressのインストールを素早く行います。その10(新しいタブで開く)までの記事であらかじめLAMP環境を整えておきましょう。

ドキュメントルートディレクトリ内の整理

WP-CLIでWordPressをインストールできるようにするため、/var/www/hoge1.comの中をあらかじめ整理しておきましょう。

余計なファイルの削除

# cd /var/www/hoge1.com
# rm -rf index.php

その9(新しいタブで開く)の記事でindex.phpを作成して、PHPが動作しているかどうか確認しました。WordPressをインストールするとディレクトリ内にindex.phpというファイルが格納されています。紛らわしいので、テスト用のindex.phpは削除します。

ディレクトリの権限と所有者の変更

# pwd
/var/www
# chmod 775 hoge1.com

WP-CLIでWordPressをダウンロードするためには、ドキュメントルートディレクトリの権限(755 → 775)の変更と、所有者とグループの変更する作業が必要になります。

WordPress専用のデータベースを作成と初期設定

WordPressはいわゆる「CMS(コンテンツマネジメントシステム)」です。そのためブログ記事やプラグインの情報などを保存するためのデータベースが必要となります。まずWordPress専用のデータベースをあらかじめ作成しておきます。

MySQLへのログイン

# mysql -uroot -pYOURMYSQLPASSWORD

その10(新しいタブで開く)でインストールしたMySQLで設定したrootパスワードで、MySQLにログインします。

データベースを作成と設定

mysql> create database hoge1comwordpress;
mysql> grant all on hoge1.com_wordpress.* to root@localhost identified by 'YOURMYSQLPASSWORD';

ターミナルの先頭に”mysql>”が表示されます。ここからMySQLに対する命令を行います。上記のコマンドはhoge1comwordpressという名前でデータベースを作成して、MySQLでroot権限をもつユーザーのみデータベースへのアクセスを許可します。

なお、今回のシリーズでは、バーチャルホストの使用を前提としています。ここで作成するデータベースは、その11で作成した別のデータベースであり、見分けがつく別の名前のデータベースを作成してください。

mysql> show databases;
mysql> exit;

fuga_wordpressとしてデータベースが出来上がっているか確認して、一旦MySQLからログアウトします。

WP-CLIのインストールと初期設定

まず準備段階として、WP-CLIのインストールと初期設定を行います。

WP-CLIのインストール

$ pwd
/home/hoge
$ curl -O https://raw.githubusercontent.com/wp-cli/builds/gh-pages/phar/wp-cli.phar
$ php wp-cli.phar --info

作業用ユーザーのホームディレクトリからcurlコマンドで、wp-cliのPHPスクリプトのアーカイブをダウンロードします。phpコマンドを使ってwp-cli.pharの内容を確認することもできます。

wp-cli.pharの移動

$ chmod +x wp-cli.phar
$ sudo mv wp-cli.phar /usr/bin/wp
(作業用ユーザーのパスワードを入力)

wp-cli.pharに”x”で実行権限を与えて、rootディレクトリの下層にある/usr/local/binに、wpと名前を変えて移動させます。これでWP-CLIのインストールと初期設定が完了しました。

WP-CLIによるWordPressのダウンロード

まずWP-CLIでWordPressのダウンロードをするための準備を行います。

ドキュメントルートディレクトリの権限と所有者・グループの変更

# cd /var/www
# chown -R apache:fugauser hoge1.com
# chmod -R g+w hoge1.com
# exit
$ cd

これからダウンロードするWordPressは、ドキュメントルートディレクトリに書き込みが行われます。その書き込みができるように、以下の2点について変更を行います。

所有者とグループ名をapacheユーザと作業用ユーザのグループ名に変更ファイルについて、作業用ユーザがファイルに書き込みができる権限を与えます。

chownとchmodのコマンドに対して、オプションとして”-R”を付与しています。これは「再帰的」という意味です。このオプションをつけることでWordPress内にある全てのファイルやディレクトリに対して、変更を反映させることができます。

WordPressディレクトリのダウンロード

$ pwd
/home/hoge
$ wp core download --version=5.1 --locale=ja --path=/var/www/hoge1.com

wpコマンドを使って、WordPressのディレクトリをします。そのときオプションとして最新のバージョン・言語・ダウンロードするディレクトリの位置を指定します。

centos7php7mysql5-6_wordpress_11_1

ここまでの作業が終わったところで、ブラウザにドメインを入力して画面を表示させます。WordPressと専用データベースを接続するように促されます。

wp-config.phpファイルの編集

wpコマンドを使って、WordPressの設定ファイルであるwp-config.phpの、データベース接続情報を編集をします。

$ wp config create --dbname=fuga_wordpress --dbuser=root --dbpass=MYSQLYOURPASSWORD --path=/var/www/public_html/fuga

今回は、データベース名、MySQLのユーザー名(root)、そのパスワードをオプションとして指定します。なおwp-config.phpの編集は、ホスト名・データベース名の接頭辞を指定することもできます。

centos7php7mysql5-6_wordpress_11_2centos7php7mysql5-6_wordpress_11_2

wp-config.phpの編集が完了したあとに、同じくブラウザにドメインを入力してアクセスすると、このような画面が表示されます。「インストールを設定してください」のリンクをクリックします。

wp-config.phpの権限を変更

#pwd 
/var/www/hoge1.com
# chmod 600 wp-config.php

wp-config.phpの権限を”600″にします。

WordPressの初期設定

ブラウザにドメインを入力して、WordPressサイトにアクセスすると、WordPressの初期設定画面が表示されます。

$ wp core install --url=hoge1.com/ --title=hoge1.com_test --admin_user=fuga_user --admin_password=fugapassword --admin_email=fuga@example.com --path=/var/www/hoge1.com

このまま手動で入力することも可能ですが、せっかくなのでwpコマンドを使って、WordPressの初期設定を行います。このコマンドを実行したあと、ブラウザをリロードします。

centos7php7mysql5-6_wordpress_11_4

いくつかのログインを促す画面が登場しますので、WordPressへログインするためのユーザー名とパスワードを入力していくと、WordPressの管理画面に到達します。

以上で作業が完了です。ブラウザにドメインを入力して、WordPressのログイン画面が表示されます。ログインするのに必要なユーザー名とパスワードを入力して、ログインするとWordPressの管理画面が表示されます。

【参考サイト】