宇田川潤四郎 家庭裁判所の父
宇田川潤四郎とは、NHK朝ドラ「虎に翼」に登場する多岐川幸四郎(滝藤賢一さん)のモデルとなる人物です。「家庭裁判所の父」とも呼ばれ、1949年1月に初代最高裁家庭局長に就任しています。
ヒロイン・猪爪寅子(伊藤沙莉さん)のモデルとなった三淵嘉子は、この日本の司法史上、初の最高裁家庭局で局付の事務官に任じられています。つまり宇田川潤四郎と三淵嘉子は上司と部下の関係にあると言えます。
さらに三淵嘉子は1950年5月に、最高裁から命じられて、家庭裁判所の制度を学ぶためにアメリカに派遣されています。
多岐川幸四郎と佐田寅子との関係 家庭裁判所設立準備室
「虎に翼」では1948(昭和23)年10月に寅子に家庭裁判所設立準備室に異動する辞令が、最高裁人事課長の桂場等一郎から交付されます。
そのときの家庭裁判所設立準備室・室長で、寅子の直属の上司となるのが多岐川幸四郎という設定です。家庭裁判所設立準備室はGHQに命令されて新しくできる裁判所で、戦前は別々の裁判所で行われていた少年審判と家事審判を同じ裁判所で行うことを業務としていました。
宇田川潤四郎と三淵嘉子の関係
このアメリカ派遣で三淵嘉子は「アメリカには女性による法律団体がある」ことを知ります。帰国後、法曹資格を持った女性たちと日本婦人法律家協会を設立します。
その団体の設立を記念した講演会では、宇田川潤四郎は「日本における少年問題」と題して講演を行なっています。
宇田川潤四郎と村岡花子のラジオ番組
NHKのブログ記事によると宇田川潤四郎がモデルとなっていると考えられる、多岐川幸四郎の役柄はこのように説明されています。
寅子の上司となり、ともに家庭裁判所の設立準備にまい進する。かなりの変わり者で、寅子を呆れさせるが、家裁への情熱は誰にも負けない。
実在した宇田川潤四郎もかなりの変わり者であったようで、時には法曹らしからぬ人物であるとも見られたようです。それまでの日本の司法制度にはなかった家庭裁判所を全国に普及するべく、なんとラジオで宣伝活動を行なっているのです。
しかも紹介してもらったのは「婦人の時間」という番組で、司会者はNHK朝ドラ「花子とアン」のヒロインのモデルとなった、翻訳家にして児童文学者・村岡花子です。
「虎に翼」も「花子とアン」と同じくNHK朝ドラです。このときの村岡花子に相当する人物を誰か出演させるとなると、朝ドラファンからの注目度もさらに高くなるのではないでしょうか。