朝ドラ「ブギウギ」に登場する福来スズ子・秋山美月・大和礼子には梅丸少女歌劇団のライバルである花咲歌劇団に浅からぬ因縁があります。
花咲歌劇団と福来スズ子(趣里さん)
小学校の親友に花咲歌劇団の存在を教えてもらい、意気揚々と花咲音楽学校を受験するも試験の結果は不合格。座学の試験も日舞の試験もうまくいったに関わらず、面接試験ではねられました。どうやら体格が小さかったため、花咲歌劇団は福来スズ子(花田鈴子)には難があると判断したようです(この話は実話で笠置シヅ子さんには宝塚音楽学校受験して不合格になったエピソードがあります)。
そのため梅丸少女歌劇団(USK)に母親の花田ツヤとともに押しかけて受験し、音楽部長の林嶽男のお情けで入団が許されます。花咲に落とされたことは何年経っても忘れられず、いずれはUSKを花咲よりも大きな歌劇団にしてやろうという野心抱くまでになります。
花咲歌劇団と秋山美月(伊原六花さん)
秋山美月はもともと花咲歌劇団の団員でした。ですが花咲歌劇団に入団しただけで、余裕を見せるような団員たちの存在が疎ましく思う思うようになり、挙句はケンカをして退団してしまったほどの人物です。
一旦踊りの世界から退いたものの、音楽部長の林嶽男から声をかけてもらってUSKに入団することになりました。秋山美月はそのプロ意識の高さ、実力、梅丸に受けた恩義から「いつか必ず花咲歌劇団を追い抜いてやる」と公言して憚りません。
花咲歌劇団と大和礼子(蒼井優さん)
大和礼子は元々、東京の人間で、両親には踊りの世界に入ることは大反対されて家出同然で関西に出てきました。1人暮らしでは花咲音楽学校に支払う学費もままなないところ16歳のときに、大熊社長に「学費はいらん。身一つでやってこい」と拾われたほどです。
そのため大和礼子は、他の団員たちよりもUSKに並々ならぬ恩を感じている人物です。
「強く、たくましく、泥くさく、艶やかに」がモットーの梅丸少女歌劇団には、どこか世間からはみ出したり、落ちこぼれたりする人間を受け入れる素地がある少女歌劇団でもあるのです。
(参考文献)