2019年3月27日(水)にPayPalの個人間送金機能がリリースされました。そのリリースに伴い、PayPalの日本アカウント保有者が、PayPalの海外アカウント保有者に対して送金ができることになりました。
PayPalにおける「海外」の定義
PayPalがいう「海外」とは、異なる国のアカウトを取得しているもの同士のことを指します。例えば太郎さんは日本の金融規制にもとづいてPayPalの日本アカウントを取得しているとします。一方、トムさんはアメリカの金融規制にもとづいてPayPalのアメリカアカウントを取得いるとします。
もし太郎さんがトムさんに1万円の個人間送金をすると、「PayPalを使って個人間送金をした」ということになります。ポイントは太郎さんとトムさんが世界のどこに居てようと、両者の間で個人間送金をすると必ず「海外送金」になることです。
トムさんが旅行で太郎さんが住んでいる大阪にやってきたとしましょう。そのときトムさんが、同じく大阪にいる太郎さんに対して個人間送金をしても「海外送金」に該当します。
個人間送金の海外手数料
PayPalの日本アカウント保有者が海外アカウント保有者に海外送金するときの手数料は、その送金額に関わらず一律で499円です。送金をする人が負担をします(日本アカウント保有者同士での個人間送金は無料)。
手数料についてはPayPalのユーザー規約にも記載されています(リンクをクリックして、「ctrlキー + Fキー」で”個人間で送金するための手数料”)で文字列検索をすると、上記の画像を確認することができます。
個人間送金ができる海外アカウント
PayPalは世界各国の金融規制にもとづいて事業展開を行なっています。そのため個人間送金をするためには、当該国で銀行業以外の事業者でも、他人のお金を預かって送金してもよいという法律の条件をクリアしている必要があります。
日本におけるPayPalは、資金決済法にもとづく資金移動業者として、他人のお金を預かって送金してもよいことになっています。もっとも、PayPalは2019年4月現在、世界25ヶ国で事業展開をしていますが、その25ヶ国すべてのアカウント保有者に対して個人間送金ができるというわけではありません。
上述したユーザー規約では海外送金ができる国について言及されていませんが、2019年4月4日(水)の時点において、PayPalの日本アカウントから海外送金ができると考えられる国の1つとしてアメリカ合衆国が挙げられます(アメリカではPayPalの決済サービスが始まったときから個人間送金が可能であったため)。
日本アカウント保有者がどこの国に海外送金ができるかについては、PayPalから今後の発表が待たれるところです。
海外へ個人間送金をするときの上限額
PayPalによる送金は、資金決済法によって上限額が課せられています。日本アカウントの保有者が、海外アカウントの保有者に個人間送金ができる金額の上限は、資金決済法第二条の2と資金決済に関する法律施行令第二条にもとづき、1回あたり100万円となる考えられます。
また日本アカウントの保有者が海外アカウントの保有者から個人間送金を受け取る場合においても、同法にもとづき1回あたり100万円が上限になると考えられます。