「ブログを書くまでがWordCamp!」。まことしやかに伝わるWordCamp界隈の都市伝説です。そんな不思議な都市伝説に巻き込まれて自分もWordCamp Osaka 2018について振り返りたいと思います。
WordCamp Osaka 2018に一般参加された方が、「いつかは自分も実行委員をやってみよう」と感じた方に向けての記事です。
WordCampのスポンサー担当実行委員について
WordCampでは実行委員を引き受けたからといっても、金銭の対価は得られません。また一部物品の購入や会場費の拠出などを除いて無償のボランティアによって運営されています。ですがイベントとしてのクオリティを下げることはありません。WordCampの理念にのっとって最大限の努力と注意を払ってイベントが開催されます。
その中でもスポンサー企業様は、イベント協賛金という名目で資金を拠出していただくことになります。したがってお金をいただく窓口となるスポンサー担当実行委員は、あたかも営利企業の営業・営業事務担当者のような対応が必要です。メールでコミュニケーションを取るときは、ビジネス用の文章を使います。
ビジネス用の英文メールにチャレンジ!
自分は、2016、2017、2018年と3年連続でスポンサー担当の実行委員を引き受けましたが、すでに担当した2回と今回担当した活動では、大きく異なる点が1つあります。それは、ある1社の企業とすべて英文でコミュニケーションを行ったことです。
これまで日本語のビジネスメールであれば数えきれないくらい書いてきましたが、英語によるビジネスメールは書いたことがありません。Googleの翻訳サービスもずいぶんと翻訳の精度が上がってきたように思いますが、英文を書くときのフォーマットまでは翻訳ツールで知ることはできません。
そのため実行委員として送受信したメールは、すべて翻訳担当の実行委員の方に添削・解釈の確認を行っていただきました。以下では、その経験で気づいたことについて一部ご紹介します。
英文メールに周りくどい表現は不要
日本語のビジネスメールを読み書きしていると、相手に対して妙にへりくだった長ったらしい表現が現れます。
いつもお世話になっております。 このたびはお問い合わせをいただきまして誠にありがとうございます。 (メールの本題) 以上、お忙しいところ誠に恐れ入りますが、ご確認よろしくお願い申し上げます。
これを英語に訳すとこのようになります。
Dear, 〇〇 (メールの本題) Regards.
日本語メールではあいさつをするだけで3つも文を使っていますが、英語のメールでは文といっても実質的に単語2つしかありません。
肩書きについて
日本では人がどこの組織に所属しているかを重視するせいか、担当者名の前に会社名や所属する部署名が入ります。かつて自分は付き合いの浅い取引先で担当者の方の肩書きを飛ばして書くと「失礼」とされると教えられました。
また付き合いが深くなったとしても、名は省略できますが姓は必須です。ファーストネームだけで宛名を書くことなど、日本語メールでは論外です。
〇〇株式会社 宣伝広報部 広報係長 △△■■様 いつもお世話になっております。 ...
これを英文メールにすると、以下になります。
Dear,■■ ...
先方はすでに自分が勤務する会社名・勤務先を明らかにしていますが、自分は相手に対してその所属名をつけることはしません。なおかつ姓(セカンドネーム)は使わず、名(ファーストネーム)を宛名とします。
自分の名乗りについて
では自分の名前はどの位置でどうやって名乗るのでしょうか。名乗りの位置についても日本語と英語では異なります。最初の自己紹介をのぞいて自分の名乗りはメールの最後にします。
〇〇株式会社 宣伝広報部 広報係長 △△■■様 いつもお世話になっております。 WordCamp Osaka 2018実行委員会スポンサチーム担当の越前屋洋太でございます。 (メールの本題)
これを英文にすると、以下になります。
Dear,■■ (メールの本題) Regards. Yota Echizenya Sponsor team of WordCamp Osaka 2018.
名乗りというよりは署名に近い感覚です。しかも個人から所属に、所属についてもより小さい存在から大きな組織に向かって書くという感じです。
実行委員をやると貴重な経験ができるよ!
WordBench、WordCampのコミュニティ界隈にいると、英語でビジネスメールを使いことなす人は決して珍しくありません。またそういう方と何人か知り合いがいます。
その方からビジネスメールの書き方を教えてもらうということもできないこともありません。ですが実際に自分でメールを書いて送るという行為は、耳学問と比べて金銭に代え難い貴重な経験であると思います。
貴重な経験は何もスポンサー担当実行委員に限ったことではありません。WordCampのイベントを開催するためには、多様な人材を必要とします。この記事を読んで「いつかは自分も実行委員をやってみたい」と思っていただける方が増えれば幸いです。