2018年4月1日(日)から「裏大河」こと「大河ドラマアンコール 軍師官兵衛」が始まりますね。そのことについては当エコテキブログでも先日紹介をいたしました。
この記事ではNHK朝ドラの「わろてんか」とキャスティングが被ってるいることをお伝えしました。確かに芝居によって馴染みの俳優さんの演技が、どのように変化するのか楽しむこともドラマを見る醍醐味だと思います。
「軍師官兵衛」 表向きストーリー
では、今回はストーリーの角度からドラマを眺めて、そもそも「軍師官兵衛」どんなお話だったかを考え直してみたいと思います。
1590(天正18)年7月、小田原。豊臣秀吉の天下統一の総仕上げといえる戦線は、長いこう着状態にあった。そんな中、一人の武将が丸腰で城主への面会を申し入れる。「命を粗末になさるな。生きられよ!」―ほどなくして城は明け渡された。この男こそ、秀吉の天下取りを支えた稀代の軍師、黒田官兵衛であった。
NHKドラマの再放送情報「軍師官兵衛」から引用をさせていただきました。第1回目の放送で黒田官兵衛が小田原城の城門前で、城内の将兵に向かって叫んだことを鮮明に覚えています。足を引きずり、顔にあざを作った奇妙な武将にしては、ヒーローらしい真っ当なセリフです。
このシーンだけ見ると黒田官兵衛という武将は、天下万民の安寧に尽くしたヒーローであったような印象を受けます。
「軍師官兵衛」 裏向きストーリー
ですが「軍師官兵衛」の見どころは、最終的に主要な登場人物が誰一人としてヒーローとならないところです。NHK大河ドラマでヒーロー・ヒロインが全く出ないドラマも珍しいのではないでしょうか。
「織田がつき」
織田信長(江口洋介さん)は畿内を中心として北陸・関東甲信越・中国・四国地方に派兵して天下統一に燃えていました。「軍師官兵衛」では、最初から「覇王」のような雰囲気を醸し出しています。ですが家臣の明智光秀に本能寺であっけなく討ち取られてしまいます。
「羽柴がこねし天下餅」
羽柴秀吉(竹中直人さん)は本能寺の変までは織田家の一家臣に過ぎませんでした。しかし、本能寺の変を聞きつけ「中国大返し」と「山崎の戦い」で、光秀をあっという間に返り討ちにします。その後天下統一を果たしますが、野望が行き過ぎたのか朝鮮出兵までやらかしたところで亡くなってしまいました。
「すわりしままに食うは徳川」
秀吉亡き後、台頭した武将が徳川家康(寺尾聰さん)です。彼もまた腹に何を抱えているか分からない「タヌキおやじ」ぶりを遺憾無く発揮します。黒田長政などを使い走りにして豊臣政権の切り崩しを図り、見事天下取りを果たします。
「天下餅」を狙う官兵衛
ところがどっこい黒田官兵衛(岡田准一さん)は、関ヶ原の戦のどさくさに紛れて九州平定を果たし、東軍・西軍のどちらが勝っても天下を奪えるようしたたかな戦略を練ります。
最後の方は、入道頭になった主人公の官兵衛は外見さながら「ダーク・ヒーロー」にしか見えません。ストーリーの最初に描かれた爽やかな岡田さんにはヒーローの面影は全くありませんでした。最後はご存知の通り、天下の覇権を握ることはできず不遇のうちに亡くなります。
物語が進むにつれ、主要な登場人物がとして「悪と欲」に染まる「軍師官兵衛」に4月1日(日)から期待です。