大河ドラマ「鎌倉殿の13人」に登場する13人の家臣団のうち、八田知家(はったともいえ・市原隼人さん)は、鎌倉幕府の有力御家人の1人で、常陸国(現在の茨城県)の守護(地方の警察・軍事長官)をつとめた人物です。
八田知家は源頼朝の忠実な家臣
公益社団法人鎌倉市観光協会のホームページによると、八田知家はこのように紹介されています。
兄・朝綱に先んじて源頼朝のもとに馳せ参じ、重用されました。奥州藤原氏との戦いでは東海道大将軍の一人として活躍しています。知家の屋敷は大倉幕府の南御門付近にあり、京都からの使者や鎌倉殿の滞在場所としても使われていました。知家の嫡男・知重は小田氏を名のり、常陸国の守護職や所領を持ち、鎌倉時代を通じて繁栄していきました。
これだけを見ると、源頼朝(大泉洋さん)の忠実な家臣だったというクリーンな印象を受けます。ですが八田知家は一筋縄ではいかない人物だったようです。どういう経緯を経て、常陸国守護の地位を確保したかという点に問題があります。
八田知家、多気義幹を陥れて常陸国守護の座を確保
2017年9月20日付の産経新聞で「八田知家 曽我兄弟の仇討ちの裏で暗躍」という見出しでスキャンダルっぽい記事が書かれています。
常陸守護・八田知家も事件を利用して、常陸の権勢を争っていた多気義幹(よしもと)にわなを仕掛けた。まず、八田氏が多気氏を攻めると噂を流した上で、知家は仇討ち事件後、頼朝の身を案じて富士に急行しようと義幹を誘う。当然、義幹は警戒。居城の防御を固め、誘いには応じない。知家は頼朝に「多気氏は反逆を企て城に立て籠もっている」と讒言(ざんげん)、頼朝に呼び出された義幹は弁明が通らず、所領没収。
引用した文章の冒頭に「事件」とあります。この事件とは、このブログサイトでも記事にした「曽我兄弟の敵討ち」のことです。「曽我兄弟の敵討ち」の混乱に乗じて、同僚をおとしめる行動は八田知家のダークサイドを見ているような気がします。
NHKと三谷幸喜さんは、八田知家のキャストは誰になるのかまだ発表してません。人間が持つ裏と表を見事演じられるような方が出演されるのではないでしょうか。