【読書感想】エドノミクス~歴史と時代劇で今を知る

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時代区分として近世(江戸時代)全般のことを語られています。個人的には徳川家康は「苦労人」か「田舎者」か「たぬきオヤジ」かの議論が面白かったです。

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徳川家康は萌えるか?

以前、WordCamp Kyoto 2017が終わったあと、自宅に帰る途中で中国人観光客の方に道案内をしたことがあります。その時このようなやりとりがありました。

観光客:
「あした大阪城、行くつもりです。あなた豊臣秀吉、徳川家康萌えますか?」
自分:
「いえ萌えません。なぜなら彼らは腹黒い政治家というイメージが強いからです。萌えるなら加藤清正とかに萌えて熊本城に行ってください」

さらに外貨を落としていってもらえるよう、徳川家康だけでなく熊本観光もアピールしておきましたw

「真田丸」と「おんな城主 直虎」でみる徳川家康像

とっさの出来事だったので、「徳川家康 たぬきオヤジ説」を採ってしまいました。ですが振り返ると「徳川家康 小心者説」もありなんじゃないかと思ったりもします。

家康さんはNHK大河ドラマで2016年、2017年と2年連続で登場されます。「真田丸」の家康さんは中年期から老年期を、「おんな城主 直虎」の家康さんは少年期から中年期までの人生を描かれています。2年連続の登場で、人生の流れとしてはちゃんとひと続きになっています(放映された年でみると順序は逆になりますが)。

どちらも番組の録画をして何度も観て家康さんの言動を観察していると、こんなイメージで描かれているように感じます。

  • 戦はできるだけ避けたい。イヤイヤやっているうちに自然と采配が上手になった
  • 東海地方の田舎大名の身分で満足。官職は三河守で十分
  • 家臣に担ぎ出されて仕方なく領土拡大や天下取りのお神輿になってしまった
  • 意外に情が深い
  • 肝が小さい

「たぬきオヤジ」と受け取れるシーンもありましたが、「小心者説」の方が有力なような気がします。そのことを象徴するのが、「真田丸」で家康さんを演じた内野聖陽さんの演技です。

「パンピー」な徳川家康

豊臣秀吉が亡くなったにも関わらず、多くの大名が朝鮮出兵のため公に喪が発せられないときに、一人きりで天に向かって手を合わせていました。秀吉の菩提を心から弔うためです。このとき「あー、この人天下人でもなんでもなくて一般ピープルと同じだな」と感じました。

ちなみに秀吉が亡くなる直前に、無理やり自分に都合の良い遺書を書かせようとしたシーンがありました。ですがそれはあくまで近藤正臣さん扮する本多佐渡守の入れ知恵です。あとで本人は済まないことをしたと、本心からしょげていました。

先のわからない今のご時世だからこそ、「小心者・徳川家康」が生まれたかもしれませんね。自分も毎日を生活するのに必死です。天下国家のことなど論じることなく、ただただ必死で生き延びようとする家康さんに共感することができます。

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