蓮尼庵の庵主 大京映画の将来を占うことができる
朝ドラ「オードリー」の雀蓮(じゃくれん)(三林京子さん)とは蓮尼庵の庵主で、大京映画の黒田茂光社長(國村隼さん)が会社の運営に困ったときに仏様からのお告げを聞きに行く尼僧です。大京映画の将来はよく見えるのにも関わらず、自分の身内のことはさっぱり見えないという雀蓮とは一体何者なのでしょうか?
雀蓮は青葉城虎之助の母親
「オードリー」に登場している雀蓮はすでに俗世を捨てて尼僧として生きていますが、もちろん生まれた時から俗世を捨てていたわけではなく、尼僧になる前はデパートの店員をしていました。しかも大京映画のスター俳優である栗部金太郎(舟木一夫)の追っかけもしていて、ある日クリキンの女道楽がこじれて、男の子を妊娠することになります。その男の子こそ、のちの青葉城虎之助(菊池隆則さん)です。
そのことを知った当時の黒田社長はスキャンダルの発覚を恐れて雀蓮に身を引くよう迫り、雀蓮もまたその言葉に素直に従い、俗世を離れて尼僧として生きていくことにします。
青葉城虎之助とは
黒田茂光社長の配慮で「青葉城虎之助」として映画デビュー
もっとも黒田社長は雀蓮とその男の子を引き離した仕打ちを後ろめたく思い、その男の子が17歳になった時「青葉城虎之助」という芸名をつけ、クリキン主演の「青葉城漂流剣」でデビューさせてやることもしました。もちろん芸名「青葉城虎之助」の「青葉城」とは、映画のタイトル「青葉城漂流剣」の「青葉城」から来ています。
その後も「大京映画」は事業規模を縮小せざるを得なくなり、俳優たちをリストラせざるを得なくなった時には、黒田社長は「青葉城虎之助」だけは香港で映画俳優を続けられるように特別に取り計います。黒田社長の計らいは全ては雀蓮と青葉城虎之助親子にした仕打ちを悔いてのことでした。
雀蓮の望みはクリキンと青葉城虎之助との復縁
香港に渡った青葉城虎之助は、5年後にアクション映画スター「タイガー・ウォン」として大活躍するようになります。香港では客室だけで15部屋もあるような大豪邸に住むようになり、日本でも椿屋に泊まれるぐらいの有名人となります。その頃には雀蓮は還俗して尼僧をやめて髪を伸ばして結婚式場で花嫁衣装を着付ける仕事に就いていました。
ただその頃、「東の御大」とも呼ばれたクリキンは71歳になってすっかり落ちぶれており、本名「加藤守」の名前も隠してひっそりと仮名の「阿部仁」として暮らしていました。雀蓮の最後の望みは、自分が香港で贅沢な暮らしをするのではなく、青葉城虎之助の実の父であるクリキンと青葉城虎之助が復縁してほしいということです。