幸は商いの戦国武将となれるか?冒頭の図は、2023年12月8日金曜日から始まる、NHKBS時代劇ドラマ「あきない世傳(せいでん) 金と銀」の人物相関図です。相関図の中で注目していただきたい関係は、五鈴屋の「お家(え)さん」こと、富久(ふく)と3人の孫の関係と、幸(さち)と三人の徳兵衛の関係です。
あきない世傳(せいでん) 金と銀 富久と3人の孫の関係
物語を読んでいると富久と3人の孫の関係は実の親子のように見えます。ですが彼女・彼らはあくまで祖母と孫という関係です。富久は古手商から呉服商に商売替えをした二代目徳兵衛に嫁ぎ、三代目徳兵衛を産みました。
しかし不幸なことに息子は三代目徳兵衛に店を任せたところで夫婦はともに病死し、富久は残された3人の孫の養育と五鈴屋の経営に戻ることになりました。
店の経営をしながら孫を育てしまったせいか、3人とも商家の跡継ぎとしては、それぞれ難がある男子に育ってしまいました。四代目徳兵衛が五鈴屋を継いで以降は、孫たちの行状に振り回され、やがて心臓を弱らせてしまいます。
あきない世傳(せいでん) 金と銀 幸と3人の「徳兵衛」と結婚
五鈴屋で裏の奉公人をしていた幸はやがて3人の「五鈴屋徳兵衛」のもとに嫁ぎます。1人目は四代目徳兵衛こと豊作、2人目は五代目徳兵衛こと惣次、3人目は六代目徳兵衛こと智蔵です。
つまり幸は富久の3人の孫すべてと結婚したことになります。元々、幸は奉公人ですから当時の習慣や身分制度では、商家の「ご寮さん」になる目はありません。それが四代目徳兵衛が菊栄と色狂いで嫁のきてが無かったことを番頭の治兵衛が目につけ、利発な幸を四代目の後添え(後妻)とします。
しかし四代目は石垣で転落して脳内出血のため死亡。幸はそのままあとを継いだ五代目徳兵衛の妻になります。ところが五代目は商売相手に不渡手形をつかませてしまい、取引先に責任を問われます。五代目はその責任をとって隠居、幸と離縁をします。
幸はさらに五代目の跡を継いだ六代目に嫁入りし、こうして幸は富久の3人の孫たち全員と「結婚」することになります。