徒然なるままに日ぐらし硯に向かいて心にうつりゆくよしなし事をそこはかとなく書きつくれば怪しうこそ物狂おしけれ(現代語訳:なんとなく一日中、硯に向かって心に浮かんだいろいろなことをとりとめもなく書き始めたら、まるで何かに憑かれたように筆が止まらない)
先日、12月16日(土)に大阪市内にあるD-SPOT-ZEROさんの貸会議室をお借りして、PayPalUser(PPUG)大阪 #2を行いました。「なかの人」として登壇者募集・会場予約・集客・LT登壇などいろいろとやってきましたので、その感想を徒然なるままに書き綴ります。
イベントをやって良かったと思うこと
今回のイベントでは参加された方が、自分にとって有益な情報を引き出せたことだと思います。参加者の方は必ずしも決済サービスとして、PayPalを使いたいという訳ではありません。
話したい内容よりも聞きたい内容を
経営者の方であれば「作って売ってお金を回収する一連の流れをどう構築するか?」、「事業の委託者に対してどう送金するか」など経営全体に関わることをひとりで悩んでいらっしゃることもあるでしょう。
Web制作者の方であれば、顧客から依頼された「売れるECサイトを構築するために何をすれば良いか?」、「Web上でのマーケティングをどうすれば良いのか?」。決済サービスを覚えるよりも、自分の顧客の悩みを共有したいのかもしれません。
個人的な主観ですが、今回のPPUGでは参加者の方にとって、自分の知りたい情報を持って帰ってもらえたのではないかと自負しております。
反省すべき点
とは言っても、PayPalUserGroup(PPUG) 大阪は、まだはじめたばかりのコミュニティなので反省すべき点が多々あったと思います。以下の反省点は主に集客をしていたときに感じたことです。
テーマを絞る
PayPalの主たるサービスは電子マネー(電子的決済手段)による決済サービスです。したがって「お金」にまつわるあらゆる話ができます。その分テーマを絞らないと、イベントの内容がボヤけてしまいます。そうなると参加を検討されている方に向かって、訴求する力がかえって弱まってしまうでしょう。
- Webエンジニア・デザイナー・ディレクター → 決済システムの導入やECサイトの選定方法
- 営業マン → 商材の販売から代金の回収までのフローを構築やマーケティング
- 中小企業経営者 → 越境ECの実例
- 企業内の管理部門(財務・経理)の人 → 越境ECによる為替差益や為替差損の検討
- 副業を始めたいと考えているサラリーマン → 副業を始めるためのコツやはじめ方
- 小学生・中学生・高校生 → 金融や商売の原理を知るための教育ツール
なのでこれからPPUGをするときは対象者とテーマを絞り、その内容に基づいて登壇者の方にセッションの依頼ができればと思います。
基本的な知識の普及
PayPalという会社名の知名度は抜群です。ですが決済サービスをやっている会社であるということ以外は、何をやっている会社なのかほとんど知られていません(一部専門家を除く)。
PayPalはBraintreeという最新の決済プラットフォームを抱えていますが、そういう話題を持ち出しても当分の間は「刺さらない」と思います。どちらかというと、基本的なことをハンズオンなどでお知らせする方が分かりやすいのかもしれません。
- ビギナー向け → PayPalパーソナルアカウントの取得方法
- 実際に商売を始めたい人向けに→ PayPalビジネスアカウントの取得方法
- 開発者の方向け → PayPalSandBoxのアカウント取得方法、簡単なECサイトの構築方法
パッと考えた限りではこんなことが思い浮かびます。
登壇者・運営者のメリットを意識する
コミュニティを続ける上で何よりも重要なことは、登壇者・運営者にとってそのイベントに関わることによって何かメリットがあるということです。
- 自己承認欲求が充足される
- 同業者また異業種の人とビジネスライクなお付き合いをしたい
- 自社のブランドやサービスの認知度をあげて将来の顧客を見つけたい(間接的な営業)
- 実際に自社の商品やサービスを販売して売上を上げたい(直接的な営業)
個人的にはPayPalが持つ金融機能について興味があります(PayPalは口座残高を持つことができます)。なので自分はPayPal SandBoxの機能を使って「金融や商売の原理を知るための教育ツール」を作成して、教育委員会や学校法人などに売りたいと考えています。
前職で福利厚生サービスに関連する仕事をしており、日本の公的年金制度の体たらくや日本人の金融リテラシーの低さに危機感を覚えているからです。
これからのPPUG大阪について
「テーマを絞る」にも関わることですが、コアメンバーとイベント開催するときは「世間は何について問題意識を持っているか?それに対して運営者は何ができるか?」についても意識したいと思います。
参加者のみなさま、登壇者のみなさま、会場を貸してくださった株式会社第一住建のみなさま、PPUG大阪にお付き合いいただきありがとうございました!