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WordPressの「オプション付き投げ銭プラグイン」を作った理由

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先日、WordPressの「オプション付き投げ銭プラグイン」に関するほにゃららな記事を2つ書きました。

今回の記事では自分がなぜそんなプラグインを作ったのかその理由を考えてみたいと思います。なおここで使う「投げ銭」とは「債権債務の解消」を伴う資金移動のことを指します。

なぜ「投げ銭プラグイン」を作ったのか?

ぶっちゃけ自分が運営しているエコテキブログの収入源を増やしたいからです。一般にブロガーがブログを書き続ける金銭的なモチベーションはアフィリエイトとアドセンスですが、他にも何かマネタイズする方法はないかと以前から考えてました。そこに最近、PayPalのExpressCheckout機能が入った、Client Side Express Checkout using REST(新しいタブで開く)の存在を教えてもらったので、「これは使える」と思ってWordPress用にカスタマイズしました。

ただよく考えてみると「投げ銭プラグイン」を使いたいと思うのは自分だけではないと考えています。おそらく他にもブログをマネタイズしたいと考えている人たちからの需要が相当数あるのではないでしょうか。

「投げ銭プラグイン」の潜在顧客数

一般に商品やサービスを販売したいと考える場合、その潜在顧客数を考えなければなりません。「投げ銭プラグイン」は副業収入を稼ぎたいと考える方たちにリーチしたいと考えていますので、厚生労働省の定義で雇用者と呼ばれる5,750万人(新しいタブで開く)が一次的な潜在顧客となります。

このうち特に「正社員」と呼ばれる人たちが、有力な潜在顧客と考えています。雇用者数の5,750万人のうち約60%が正社員と言われますので、約3,450万人が二次的な潜在顧客であると考えています。

さらにその3,450万人のうち、すでに何らかの副業収入を得ていると考えられる雇用者は全体の約1.8%と言われています(「データえっせい(新しいタブで開く)」より引用)。ちなみにその内訳は農林業従事者が1.1%を占めているため、純粋に「副業」と呼ばれる収入を得ている人は0.7%しかいません。したがって約3,387万人(3,450万人×98.2%)が、「投げ銭プラグイン」を販売するときの三次的な潜在顧客になると考えられます。

副業志望者は増加の傾向が見込まれる

もちろん約3,387万人もの潜在顧客数がいると言っても、その人たちの「本業」による収入が増加していると、本当の顧客にならないかもしれません。そこで日本人全体のフトコロ事情を政府が発表しているデータに基づいて探ってみましょう。これらのデータを観察することで、副業による収入を考える人たちが増える理由が分かるようになります。

民間給与実態統計調査の推移

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国税庁が公開している平成28年分民間給与実態統計調査結果(新しいタブで開く)の、「2 調査の結果 (1) 民間給与の動向 ハ 平均給与 (第5表)」を確認すると、2006年(平成18年)から2013年(平成25年)までの給与所得者(雇用者)の平均給与の推移が分かります。この表によると2006年に約434万円であった平均給与が2013年には約413万円まで下落しています。

ちなみに民間給与実態統計調査の推移と解説|ニッポンの数字(新しいタブで開く)というページを確認すると、直近の年では平均給与が若干上昇しているものの長期的には下がっている傾向にあることが折れ線グラフから読み取れます。

国民的負担率の推移

民間給与実態統計調査では「正社員」だけではなく、「非正規社員」と呼ばれる人たちの給与も調査データとして含まれています。「正社員」だった人が「非正規社員」になると給与が減少することが多いため、年毎に「正社員」の割合が増えると結果として平均給与が下がるかもしれません。

国税庁が発表する民間給与実態統計調査だけでは、ひょっとすると「投げ銭プラグイン」を使う三次的な潜在顧客と「正社員」のターゲットが合致しないかもしれません。そこで「収入がどれぐらい増えているか?」のデータではなく、「収入がどれぐらい減っているか?」というデータを示す必要があります。

国民負担率の推移

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財務省が公開しているデータの一つに、国民負担率(対国民所得比)の推移(新しいタブで開く)というデータがあります。国民負担率とは国民所得に対する国民全体の租税負担と社会保障負担の合計額の比率のことを指します。平たく言えば「稼いだらどれぐらい政府に持っていかれるか」を示すパーセンテージです。

PDFファイルの表で青色で示された列が狭義の国民負担率を表しています。上述した民間給与実態統計調査で示した期間と合わせると、37.2%から40.0%まで増加しています。さらに2013年以降も国民負担率は増え続け、2016年では42.5%まで上昇しています。

肝心なのは「持っていかれる割合」

今後もし消費税の税率や社会保険料の料率が上昇すれば、「政府に持っていかれる」割合は増えます。仮に収入が増えたところで「持っていかれる」割合が増えれば実質的な収入は下がります。個人的には人口の高齢化とともにほぼ確実に税率や保険料率は上がると踏んでいます。

余談ではありますが個人的には「国民負担率」が高いこと自体はそれほど問題であるとは考えていません。今の時点で負担をしてもその負担分が将来に見返りとして戻ってくれば良いので。

WordPressでブログを書くことは手段の一つ

と、ここまで先行きが暗いことを政府が発表しているデータに基づいて、いかに副業収入が必要か説明しました。もちろんすでに副業できる人がわざわざWordPressでブログを書いて、「投げ銭プラグイン」を使う必要はないと思います。

ただ上述したように正社員の副業率が0.7%しかないことを考えると、そもそも副業の手段を持っていない人が数千万人規模で存在することは否定できないと思います。そのときWordPressでブログを書きつつ「投げ銭プラグイン」を使うことは、「副業」の一つの手段として有効であると考えています。