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PayPalの個人間送金サービスに中小・零細事業者は付加価値をつけられるか?〜「結婚ご祝儀送金サービス」の可能性について考えてみた

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PayPalの個人間送金が2018年10月25日から可能に ~ PayPalポリシーの更新 #PayPal #個人間送金

2018年10月25日からPayPalの新サービスとして「個人間送金サービス」が始まります。個人間送金サービスはセキュリティや脆弱性対策などは専門的な技術を要しますが、利用者が送金サービスだけを見ると無味乾燥なサービスに見えるかもしれません。

「個人間送金サービス」は金融業者だけの市場か?

一見すると、「個人間送金サービス」は銀行やPayPalといった大規模事業者しか旨味のないサービスであるような印象があります。彼らにとって送金で顧客の口座にお金が回ってくることは以下のようなメリットがあります。

- 銀行業者 → 融資資金の原資
- 資金移動業者 → 顧客が商品やサービスを購入したときの決済手数料

ではPayPalで「個人間送金サービス」がはじまるにあたって、中小・零細事業者は何か旨味のあるビジネスをはじめる機会は何もないということでしょうか?

答えは「ノー」です。ある程度の仮定は入りますが、中小・零細事業者でもPayPalの「個人間送金サービス」解禁に乗じて金融関連サービスをはじめることができると考えています。その例として挙げられるのが「結婚ご祝儀送金サービス」です。

「結婚ご祝儀送金サービス」とは

友人や親戚の結婚式に招待される方は、結婚式場や披露宴の受付でご祝儀袋を持参されます。結婚式でご祝儀袋に包んでお金を渡すという行為はまさしく個人間送金です。「結婚ご祝儀」についてお金を贈る(送る)側と受け取る側に分けて、デメリットとメリットを考えてみましょう。

お金を贈る側

メリット

PayPalの「個人間送金サービス」を利用すると、祝儀袋を用意する手間が省けます。結婚のご祝儀袋は、袋そのものを購入すれば良いというだけではありません。そのご祝儀袋を包むふくさを用意しなければなりません。中に入れる現金は新札を入れる必要です。さらに筆書きに自信がない方は誰かに筆耕を依頼しなければならないでしょう。

デメリット

結婚ご祝儀は現金とその現金を飾るご祝儀袋に意味があります。「モノ」としてのご祝儀をデジタル記号にしてしまうと、受け取り手がお祝いの意思表明を理解してもらえるか不安が残ります。

お金を受け取る側

メリット

PayPalの「個人間送金サービス」を使う最大のメリットは、現金を管理する手間が省けることでしょう。結婚式場でご祝儀を預かると「祝儀泥棒」に合わないようにするために、信頼できる人間が結婚式または披露宴の間、ずっと管理しなければなりません。

ちなみに日本の法律で業務として他の人のお金を預かることができる業者は、銀行業者と資金移動業者だけです。どちらの免許も持たない結婚式の会場運営者が現金を預かることを業務として行うことは、金融規制上かなりグレーな気がします。

さらに現金を管理する手間が省けるということは、合計金額や誰からいくらもらったか計算することもラクです。紙幣の枚数を数えながら何かに転記する必要はありません。またお金をデジタルデータとして受け取ることになりますので、いつまでも空の祝儀袋を持ち続ける必要もありません。

デメリット

ご祝儀を受け取った側は「お祝い」の形を直接手に取って触ったり、現ナマを見ることができません。親しい方からいただいた贈り物のありがたみが減るかもしれません。

「結婚ご祝儀送金サービス」の可能性

こうして「結婚ご祝儀」について贈る側と受け取る側のメリット・デメリットを整理するとが興味深いことが分かります。

- 贈る側と受け取る側のメリット → 「PayPalの個人間送金サービス」でカバーできる
- 贈る側と受け取る側のデメリット → 「PayPalの個人間送金」でカバーできない

これら2点のうち、贈る側と受け取る側のデメリットを解消するサービスとして、中小・零細事業者が入り込む余地があると考えられます。具体的には以下の2つの機能が提案できます。

「結婚ご祝儀HP作成機能」

結婚式の招待客が結婚ご祝儀をPayPal口座に送金
↓
お祝いメッセージがUPされたホームページのURLが掲載されたEmailが新郎新婦宛に届く
↓
新郎新婦がURLをクリックするとホームページ上で招待客からのお祝いメッセージを読むことができる

「結婚ご祝儀お礼HP作成機能」

招待客のPayPal口座から送金を受けた新郎新婦はお礼用のホームページを作成
↓
作成したホームページのURLをEmailで招待客に送信
↓
招待客はURLにアクセスしてお礼メッセージを読む

これらのサービスを実施するにあたって、中小・零細事業者は主に以下のシステムを用意する必要があるでしょう。

  • 送金と同時にメールを配信するシステム
  • ホームページ作成システム
  • ホームページを維持するシステム
  • 招待客・新郎新婦の基本情報(名前・Email・ご祝儀額)を保管するシステム

中小・零細事業者はこれらのシステムを提供する代価として、サービスの利用者(結婚式の招待客と新郎新婦)からサービス利用料を徴収します。

今のところ「結婚ご祝儀」はお金を贈る行為と、お祝いの気持ちを表現する手段が別々になっています。「結婚ご祝儀送金サービス」の提供によって、別々の行為が1つの行為にまとめられるという今までになかった価値を生み出すことができると考えられます。

なおこの記事を公開した日は2018年10月17日です。個人間送金でメールアドレスを取得できるかなど技術的にできるかどうかは考慮していません。