新型コロナウイルス感染症拡大の防止のために「ソーシャルディスタンシング(英語は”social distancing”)」と「フィジカルディスタンシング(英語は”physical distancing”)」という言葉に注目が集まっています。2つの単語はどのように意味が異なるのでしょうか?
アメリカ政府機関における具体例
もしこれらの言葉を新型コロナウイルス感染症拡大の防止の文脈で使うならば、両者の意味は同じであると考えられます。
アメリカの政府機関の方がそれぞれの認証済みTwitterアカウントで、「ソーシャルディスタンシング」と「フィジカルディスタンシング」を人と人の距離を約2mあけることに使われています。
ソーシャルディスタンシングの例
ホワイトハウスの新型コロナウイルス対策タスクフォースのメンバーが、#新型コロナウイルス 感染症を封じ込めるために、人と人との距離をあけることがなぜ重要かを説明します。 #SlowTheSpreadpic.twitter.com/LIwMpbcrPw
— アメリカ大使館 (@usembassytokyo) March 26, 2020
フィジカルディスタンシングの例
🗣️ Masks are not a substitute for physical distancing.
When you are out for essential needs, we believe a face covering would be an additive, but it does NOT replace the need to stay at home and physically distance ourselves. #StayHomeSaveLives pic.twitter.com/9lEQh7nNZa
— California Governor (@CAgovernor) April 3, 2020
ただし公衆衛生の観点から離れて使うことになると、意味が異なってきます。ソーシャルディスタンシングは「社会的距離をとること」を指すのに対し、「フィジカルディスタンシング」は「物理的距離をとること」を指します。
「ソーシャルディスタンシング」よりも「フィジカルディスタンシング」
前者は任意のコミュニティや集団(地域・職能団体・人種・宗教など)から心理的な距離をとることを指すのに対して、後者は客観的な数値などにもとづき「単に離れていること」を指します。
個人的には新型コロナウイルス感染症が収束したあとに国民全体で公衆衛生を総括するときには、「フィジカルディスタンシング」という表現を用いた方が良いと考えます。