ソテツの画像です。「西郷どん」を毎週見ている方にとってソテツを見ると、吉之助が流罪先で身柄を預けられた龍郷の龍家をイメージされる方も多いのではないでしょうか。奄美大島に自生するソテツは、当時シマンチュの主食だったそうです。
龍家とはどんな家だったのか
「未完の西郷隆盛」という本を読んでいると柄本明さんが扮する、龍家の当主であった龍佐民がどんな人物であったかが分かります。
- 龍家はユカリッチュの家柄(琉球王朝がで言うところの地元の有力者)
- 薩摩藩支配になってから龍家は「郷士格」の家柄
- 「郷士格」とは藩の郷士に準ずる家柄で帯刀は許されていない
薩摩藩では吉之助や正助どんのような城下士と郷士は、きっちり区別がつけられていたそうです。ドラマにおいて龍佐民は、武士の象徴である月代(さかやき)も剃らず、帯刀もしていません。また島代官の田中雄之介からは、たびたび見下されていました。これらのシーンは史実に基づく忠実な演出であったと考えられます。
「黒い石」→暗躍・腹黒い
https://twitter.com/nhk_segodon/status/1000572319998324736さて今回は、吉之助は最初と最後しか出ませんでしたね。愛加那どんとの新婚生活を楽しんで、国事のことなど頭からすっ飛んでいた様子です。
一方で盟友の正助どんが「黒い石」を使って、トントン拍子に出世します。斉興や久光の「密偵」となり、城下士の脱藩をまとめます。タイトルで使われている「黒い石」には様々な意味が込められていたと思います。
- 島津久光に近づくために打った黒い碁石
- 権力の「犬」に成り下がってでも暗躍する
- 腹黒い。血気にはやる郷中の二才から見ると何を考えているのか分からない
「黒い石」というタイトルには、「暗い」とか「黒い」という形容詞の暗喩が込められているのでしょう。大久保は自分は西郷吉之助の黒子だという自覚があったように伺えます。明治維新に向かって西郷は「光」の存在、大久保は「影」の存在と考えると、これからの話の展開が分かりやすくなるかもしれませんね。
次回の予告を見ると、どうやら正助どんが奄美大島まで西郷を迎えに来ています。ところが、史実において西郷は島津久光の不興を買って、再び徳之島や沖永良部島にも飛ばされることになります。その辺の詳しいいきさつが大変興味深いところです。これからもどのようにお話が進んでいくのか目が話せません。引き続き「第21回 別れの唄」にも期待です!