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NHK大河ドラマ 「西郷どん 第15回 殿の死 」感想 ~「勤皇志士 西郷吉之助の誕生」 #西郷どん #せごどん

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このセットは「第14回 慶喜の本気」で最後に使われた井伊家の座敷ですね。近年のNHK大河ドラマでは、前年に放送された作品との連携プレーを意識しているのでしょうか。床の間に飾られているのは、「おんな城主直虎」でも使われたと思しき「井」の旗と赤備えの甲冑ですね。

井伊直弼、大老に就任す

今回の第15回では井伊直弼(佐野史郎さん)が、とうとう大老に就任して強権を発動しました。老中の評定席には掲げたのが赤鬼のお面。

このお面は、かつて井伊直政が戦場で敵に対して火だるまのごとく攻めかかる様を指し、「井伊の赤鬼」の異名をとった故事にならった小道具だったのでしょう。井伊家は「おんな城主直虎」のときでは考えられなかったほどの権勢ぶりです。

吉之助が「京への進軍」を進言

ところで今回の見どころは西郷吉之助(鈴木亮平さん)が島津斉彬(渡辺謙さん)に対して進言したシーンではないでしょうか。「井伊直弼の独裁政治について朝廷で抗議の意思を表明するため、京都に向けて薩摩兵を進軍させるべき」と。

『西郷どん』スペシャル ~鈴木亮平×渡辺謙の120日 レビュー ~ #西郷どん #せごどん

このシーンは先日、対談スペシャルでもちょい見せで使われていたシーンです。スペシャル番組ではこのシーンだけが切り取られていたため、どういう経緯でお庭方にすぎない下級武士が「殿」に進言したのか分かりませんでした。

ですがスペシャル対談から話が進むにつれ、吉之助は斉彬に言われただけのことを行うお庭方ではなく、明治維新を成し遂げる志士に成長していきます。鶴丸城の御殿に乗り込んで斉彬に無理やり目通りを願い出たのも、第15回を見終えると自然に出来上がったようなシーンであったという印象でした。

対談スペシャルのときの吉之助は、単なる「薩摩の田舎侍」だったことを考えるとずいぶんと成長したなぁとしみじみと感じます。

「お前はわしになれ」

で、無理やり目通りを願い出て吉之助が斉彬から最後にかけられた言葉が「今日からお前はわしになれ」。殿からこの言葉をかけられて大感動。「勤皇志士・西郷吉之助」の出来上がりです。その後、薩摩藩内での西洋式の軍事調練中に病に倒れてしまう斉彬。

斉彬はこのまま亡くなってしまうのでしょうが、これからの薩摩藩と吉之助の命運やいかに!?引き続き「第16回 斉彬の遺言」にも期待です。