2019年4月17日(水)(午後9時00分〜10時29分)にNHKBSプレミアムで放送された、平成万葉集 第一回「ふるさと」を見ました(録画で)。一言でいうと見て良かったです。近いうちにぜひ再放送をしてほしいと思います。
【#平成万葉集】
▽17日(水)・24日(水)・5月1日(水)
午後9:00〔BSプレミアム〕日本各地の美しい映像にのせてお届けする平成版の「#万葉集」
短歌人口100万の中から選りすぐった「三十一文字の物語」を、3回シリーズで放送☆
→https://t.co/54rQMRgirP— NHK大阪放送局 (@nhk_osaka_JOBK) April 16, 2019
天皇陛下と皇后陛下の歌
紹介された歌はどれも甲乙つけがたいものですが、秀逸なのは以下の3つの歌であると考えます。3つの歌は1994年に発生した阪神・淡路大震災と2011年に発生した東日本大震災のときに、天皇・皇后両陛下が読まれた歌です。
なゐをのがれ戸外に過す人々に雨降るさまを見るは悲しき 平成七年 天皇
大いなるまがのいたみに耐へて生くる人の言葉に心打たるる 平成二十三年 天皇
ひとたび立ちあがりゆく村むらよ失せたるものの面影の上に 平成二十四年 皇后
優れていると思った理由
この3つの歌が優れていると思ったのは、わずか三十一文字しか使えない歌の中で、日本国憲法の第一章「天皇」で明記されている「象徴」という言葉がすべてつまっているからです。
第一条 天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。
「象徴」という抽象的な法律の条文を具体的な短歌にするとこうなるのかと、ただただ感心を覚えました。しかも自分のような短歌の素養がない人間が読んでも、目の前に広がる情景や、客観的に見て共感できる思いが込められているという点も印象的です。
4月24日(水)に放送された第二回「女と男」も期待して視聴します(録画をしているので)。