Initiative Qの取り組みはなかなか興味深いですね。Initiative Qが本当に流通すれば、オフラインで物理的な現金が流通するように、オンラインで民間主導型の「現金型デジタル通貨」が流通するかもしれません。
とりあえず申し込みました→Initiative Q は新しい決済ネットワークを開発しており、早期採用者に多額の将来の通貨を提供しています。これは招待のみで、招待できる人数は限られています。個人用招待リンク: https://t.co/xgNhW6n0is
— Hiroshi Fukui@DMM英会話は休会中 (@echizenya_yota) November 3, 2018
なお上記のページからInitiative Qの「招待」を受けたい場合は、Initiative Qのリンクをクリックするとともに、Initiative Qで使用している氏名とメールアドレスをTwitterのDMでお知らせください。お知らせがない場合は、承認しない場合があります。
「現金型デジタル通貨」とは
「現金型デジタル通貨」という単語は、自分が考えたものではありません。日本銀行を経て、現在麗澤大学経済学部の教授をされている、中島真志先生が書かれた「アフター・ビットコイン: 仮想通貨とブロックチェーンの次なる覇者」のP.198から引用させていただきました。
「現金型デジタル通貨」を一言で説明すると、中央銀行が直接、国民にデジタル通貨を配り、国民はオフラインの世界で現金を使っているように、デジタル通貨を利用します。
現金型デジタル通貨・Initiative Q・ビットコインの比較
この「現金型デジタル通貨」の特徴を確認すると、Initiative Qの特徴も分かりやすくなります。ついでに仮想通貨のビットコインとも比較しておきましょう
現金型デジタル通貨の特徴
- 発行主体: 各国の中央銀行
- システムの運営主体: 各国の中央銀行
- 通貨単位: 円(JPY)・ドル(USD)など
- 強制通用力: あり
Initiative Qの特徴
- 発行主体: 独立金融委員会
- システムの運営主体: 独立金融委員会
- 通貨単位: 独自の通貨単位(Q)
- 強制通用力: なし
ビットコインの特徴
- 発行主体: なし
- システムの運営主体: なし
- 通貨単位: 独自の通貨単位(BTC)
- 強制通用力: なし
通貨としてのInitiative Qの特徴
現金型デジタル通貨・Initiative Q・ビットコインの三者を比較すると、Initiative Qは通貨として以下の2点の特徴をもつと考えられます。
Initiative Qの管理は中央集権型
Initiative Qは独立金融委員会によって、通貨の発行量やシステムの運営がなされる中央集権型の通貨です。分散型と評されるビットコインとは対極に位置します。
Initiative Qに法定通貨ではない
中央集権型の通貨といっても中央銀行が発行しているわけではないので、法定通貨ではありません。
Initiative Qは地域通貨の一種
では中央集権型の通貨だけど法定通用力はないInitiative Qとは、一体どんな通貨なのでしょうか?現段階で言えることは地域通貨(ローカル通貨)の一種ではないかと推定されます。ちなみに電子マネー(電子的決済手段)は、通貨の形が物理的な紙幣や硬貨からデジタルデータに置き換わったもので法定通用力を持ちます。
通貨としてのInitiative Qを知りたければ、過去にアメリカ・ニューヨーク州で使われていた「イサカアワー」が参考になるかもしれません。