歌川広重の最期
NHK総合テレビの特選時代劇で再放送される「広重ぶるう」に登場する歌川広重(安藤重右衛門・阿部サダヲさん)は物語の最後で亡くなります。原作となった小説「広重ぶるう」によると、広重が頭に強烈な痛みに襲われた後に亡くなります。
風にはためく手拭いを取ろうと、腕を伸ばしたときだ。朝の光が重右衛門の眼を射した。その眩しさに眼を細めた刹那。焼いた鉄を頭に押しつけられたような、たとえようもない痛みに襲われた。
ぐ、ぬぬー。
重右衛門は痛む頭を押さえ、濡れ縁に膝をがくりと落とした。そこへ、お安とお辰が駆け寄って来た。
広重ぶるう (新潮文庫 か 79-10) P493 – 494
悲鳴にも似たふたりの声が耳に響いた。ああ、ちいっと頭が痛んだだけだ、すぐによくなるさ、と倒れ込む重右衛門の身体にすがりつくふたりにいった。
心配するな、そんな顔をしなくても大丈夫だー。「鎮平!寅吉!早く来て」
お安の声が聞こえた。
歌川広重の死因は?
小説版「広重ぶるう」では広重が亡くなる様子を記述していますが、弟子の昌吉が労咳で亡くなったときとは違って、何の病気で亡くなったかははっきり記されていません。
しかし小説版「広重ぶるう」の記述を読む限り、広重の脳内で何か重篤な疾患が発症した様子が分かります。
そこでChatGPT-4oに広重の最期を読ませて、何の病気で亡くなったかと質問すると次のような答えが返ってきました。
広重の死因は脳卒中か?
以下はChatGPT-4oによる記述です。
重右衛門(広重)が亡くなった原因として、引用された文章から推測される病気は、脳卒中(特に脳出血またはくも膜下出血)である可能性が高いです。
理由 突然の激しい頭痛:
「焼いた鉄を頭に押しつけられたような、たとえようもない痛み」という表現は、くも膜下出血や脳出血の典型的な症状です。これらの病気は、突然の激しい頭痛を引き起こします。
視覚的なトリガー:
「朝の光が重右衛門の眼を射した。その眩しさに眼を細めた刹那」という記述から、強い光がトリガーとなって症状が引き起こされた可能性があります。これは、脳内の異常が視覚刺激によって引き起こされた可能性を示唆しています。
急速な症状の進行:
症状が急速に進行し、「痛む頭を押さえ、濡れ縁に膝をがくりと落とした」という記述から、急激な体調の悪化が見て取れます。これは脳卒中の特徴的な進行です。
結論
これらの理由から、重右衛門は脳卒中(特にくも膜下出血または脳出血)のために亡くなったと考えられます。
歌川広重 コレラ死因説
Google検索で「歌川広重 死因」と言うキーワードを調べていると、「歌川広重はコレラで亡くなった」と言う記事が散見されます。確かに当時、江戸では感染症のコレラが猛威を振るっていました。
当時はコレラに対する有効な治療法は確立されておらず、感染すると猛烈な下痢を繰り返したのち、3日から1週間のうちに亡くなることも珍しくありません。あまりにも早くころりと亡くなってしまう様から人々はコレラを「コロリ」と言って恐れていました。
そういった当時の公衆衛生の観点からすると「歌川広重がコレラで亡くなった」と言う説が流れても不思議ではありません。ただ歌川広重がコレラに罹ったと言うはっきりした文献もないようで、本当の死因ははっきりしていないようです。
「広重ぶるう」の最終回(2024年7月7日日曜日午前6時10分放送)では、歌川広重が亡くなるシーンが見られるかどうか分かりませんが、ドラマ「広重ぶるう」では広重の最期はどのように解釈するのか気になるところです。