主要キャストとキャラクターの関係
歌川広重(阿部サダヲ)
「広重ぶるう」の主人公で本名は安藤重右衛門。火消同心として御家人の二人扶持三十俵取りの扶持米で生計を立てる一方で、歌川豊広一門の町絵師として浮世絵を描いている。初めは美人絵・役者絵などに手を出すが40才になるまで泣かず飛ばずの売れない絵師としてもがく。しかしぷるうしあんぶるう(通称:ベロ藍)に出会ってから、もっとも得意とする名所絵に専念することを決意。のちに「東都名所」や「東海道五十三次」、「名所江戸百景」などの浮世絵を残すこととなる。
加代(優香)
広重の妻。御家人の家から安藤家に嫁ぐ。絵師としてさっぱり売れないにも関わらず広重は朝湯・酒などを繰り返し、書画代などを無心するため、自分の嫁入り道具を質屋に入れて金策に走る。質屋での縁により、「東海道五十三次」を出版することとなる保栄堂・竹内孫八と広重を繋ぐ。しかし広重が「東海道五十三次」をヒットさせた頃に亡くなってしまう。
安藤十右衛門(笹野高史)
広重の祖父。広重の父を婿に迎えて自分の娘と結婚させた。広重と加代の夫妻と同居しており、妻の死後、しづを後妻にむかえ、仲次郎をもうける。家業である火消しはすでに引退しており、広重には13歳の時から家督を任せている。広重が売れないころを町絵師を格下に見ていたが、「東海道五十三次」のヒットで広重の金回りがよくなると急に態度が変わる。
しづ(黒沢あすか)
十右衛門の後妻で、仲次郎の母。広重から見ると義理の祖母にあたる。広重と加代の夫妻と同居している。急に金回りの良くなった広重の財布をあてにすることがある。
岡島武左衛門(勝村政信)
定火消与力であるため同心の広重より身分が上であるが、広重は町絵師の兄貴分として慕っている。広重の良き相談相手。何かと文句の多い広重だが武左衛門の忠告には素直に従う。
岩戸屋喜三郎(渡辺いっけい)
栄林堂・主人。昔から広重と付き合いのある版元。広重の師匠である歌川豊広が生きていた頃から、広重の面倒を見ることを頼まれていたため、広重が町絵師として足りない素養について遠慮なく助言してきた。しかし広重にとっては苦手な人物。
竹内孫八(高嶋政伸)
保栄堂・主人。質屋を営む兄の手伝いで広重の妻である加代と出会い、絵師である広重の存在を知る。版元である保栄堂を起こし、幕府の公用で京都に下ったことがある広重に「東海道五十三次」を描かせる。しかし後年、孫八の兄が米の投機売買にのめり込んだことで、保栄堂の看板も傾きのちに版元から撤退することになる。
寛治(前野朋哉)
「摺政」の摺師。ベロ藍を生かしたボカシの技術を持つ職人。名所絵「東海道五十三次」の版行における影の立役者。
川口屋(小松和重)
広重の「東都名所」を版行する版元。
昌吉(川原瑛都・二宮慶多)
10才で広重に弟子入りする絵師。広重と同じく風景画を描くことが好き。弟子の中でも広重の画風を最も理解しており、広重から「重」の一字を取って「歌川重昌」の画号を持つ。将来的には「二代目広重」の名を継ぐことも考えられたが、労咳(結核)のため10代のうちに亡くなる。
安藤仲次郎(若林時英)
安藤十右衛門とその後妻・しづの間に生まれた子ども。広重にとっては20歳年下のおじ。のちに火消同心としての安藤家の家督を広重から継ぐ。
歌川国貞(吹越満)
江戸いちばんの売れっ子絵師で役者絵と美人画を得意とする。のちに二代目・歌川豊国と称する。広重とは桁違いの画工料を取っていて仰ぎ見るような存在であるが、広重には気さくに接してくれる。
葛飾北斎(長塚京三)
「富嶽三十六景」など斬新な風景画で人々を魅了する、絵にとりつかれた鬼才。部屋は常に汚く散らかし放題で、どうしようもなくなったら引越しをする。絵の具も筆もきちんと整理整頓を心がける広重から見ると、対極に位置する人物であるが、広重は常に畏敬の念を抱いている。