NHK朝ドラ「ブギウギ」に登場する村山興業・東京支社長の坂口(メッセンジャー黒田有さん)とは、実在した吉本興業の林弘高東京支社長(当時)の存在が最も近いモデルであると考えられます。
会社の役職名だけを見ると2人は似ていますが、2つの点で「ブギウギ」の坂口は、林弘高東京支社長をそのままモデルにしたかどうか判断できないところがあります。
「ブギウギ」の坂口は村山家の親戚筋であるか不明
林弘高さんは吉本せい(吉本興業の創業者)の実弟で、せいの息子・吉本穎右さん(笠置シヅ子の娘・亀井ヱイ子さんの父親)から見るとおじにあたります。
一方「ブギウギ」の坂口は、吉本穎右がモデルとなっていると考えられる、村山愛助(水上恒司さん)の身の上を心配し、何かと世話を焼きます。ですが「」によると2人が親戚であることは描写されてません。
あくまでも忠実な番頭はんが、東京にいるご寮さんの一人息子を案じると言う体裁です。
実在の林弘高は笠置シヅ子と吉本穎右の仲を裂こうとしたか不明
「ブギウギ」のキャスト発表でメッセンジャーの黒田有さんが、坂口としての役どころをこのように紹介されています。
私の役どころは、ヒロインとその恋人愛助さんを別れさせようとする役ですがその悪人に徹せられるか…
実際「連続テレビ小説 ブギウギ Part1 NHKドラマ・ガイド Kindle版」でも坂口は福来スズ子に大金を掴ませて別れようとさせることが紙幅を割いて描写されています。もっともそのお金は「福来スズ子とその楽団」のマネージャーである五木ひろきに持ち逃げされてしまいますが…。
一方、実際の林弘高が2人の交際についてどう思っていたかと言うと、自伝の「笠置シヅ子自伝 歌う自画像 私のブギウギ伝記 Kindle版」でも伝記の「ブギの女王・笠置シヅ子 心ズキズキワクワクああしんど Kindle版」でもはっきりと反対していたかという記述はありません。
笠置シヅ子さんと吉本穎右さんの交際を語る際に、どちらの本も林弘高さんの名前はたびたび登場します。戦争が激しくなり、2人の住む家がないときは自身の隣家を紹介するなど、2人の交際を応援する様子が見られます。
(参考文献)