NHK朝ドラ「ブギウギ」のヒロイン・花田鈴子(趣里さん)のモデルとなった笠置シヅ子さんは、母が2人います。
生母は鳴戸(鳴門)いとさんで、養母は亀井うめさんという女性です。鳴戸いとという人物は、「ブギウギ」の西野キヌ(中越典子さん)というモデルとなっている人物です。
笠置シヅ子の実母は鳴戸(鳴門)いと 実父は住友菊三郎
笠置シヅ子さんの自叙伝「笠置シヅ子自伝 歌う自画像 私のブギウギ伝記 Kindle版」では、17歳のときに香川県大川郡相生村で再会したときの様子をこのように伝えています。
曲がろうか、引き返そうかと思い惑っている私の眼に畳屋のくすんだ看板が入りました。そこまで小走りにくと、なるほど傾きかかった隣家の軒に「仕立物致します」と小さな板切れがぶら下がっており、鳴戸いとと名刺の裏かなにかに書いた表札も出ています。鳴門という苗字は四国に多いのかもしれません。
(中略)
あの人(鳴戸いとさん)は涙ひとつ見せず、私の前にきちんとすわっていました。それが逆に私の心を切なくして、私は母恋う情とは全然別の、幼き日の覗きからくりの哀感のようなものにせき込まれて、もう寸時もそこに座っていられなくなり、挨拶もせずに戸外に飛び出してしまいました。
これは地元では「白塀」と言われる住友家の法事に呼ばれた時に起こった出来事です。なぜか住友家の平太郎という乃木希典大将に似たおじいさんや、その近隣の人々に妙に可愛がられたことがきっかけで、笠置さんは叔母から自分には亀井うめさんとは別に生母の鳴戸いとさんがいることを聞きだしたのです。
「白壁」の住友家で笠置シヅ子さんが可愛がられた理由は、笠置さんが大阪の有名な歌劇団にいたからではなく、その住友家の住友菊三郎と鳴戸いとの間にできた子どもだったからです。
鳴戸(鳴門)いとがモデルとなった「ブギウギ」西野キヌ(中越典子さん)の役柄
NHK朝ドラ「ブギウギ」ではこの鳴戸いとは、西野キヌと吹き替えられて中越典子さんがキャスティングされています。
【#ブギウギ 登場人物紹介💃】
西野キヌ:中越典子かつて治郎丸の家で働いていた、香川の女性。治郎丸からはよく思われておらず、肩身が狭い思いをしている。#キヌさん pic.twitter.com/MWp5WDBk15
— 朝ドラ「ブギウギ」公式 (@asadora_bk_nhk) September 7, 2023
連続テレビ小説 ブギウギ Part1 NHKドラマ・ガイド Kindle版の花田鈴子(18才)も、養父母からは自分には実の父母がいることは知らされず、なぜか亀井うめさんの実家(引田村)の近くにある相生村で法事に参列するように言われます。
訝しく思って法事に参加すると、地元では「白壁」と言われる治郎丸家に呼ばれて、知らぬ間にスズ子と西野キヌは同席し、のちに2人は相生村で18年ぶりに再会を果たします。
(参考文献)