NHK朝ドラ「ブギウギ」に登場する村山愛助の死因は結核で、特に「奔馬性(ほんませい)結核」であったと考えられます。
これは村山愛助のモデルとなった吉本頴右(よしもとえいすけ)も生前に結核を患っていって、1947年に25歳の若さで死んだときの死亡診断書の死因欄には「奔馬性急性肺炎」と記されていたためです。
村山愛助のモデル・吉本頴右は結核のため兵役免除
「ブギの女王・笠置シヅ子 心ズキズキワクワクああしんど Kindle版」によると吉本頴右は1944年ごろに結核にかかったため、早稲田大学の文系学生であったにもかかわらず、当時の学徒動員から兵役免除の対象になっています。
【#ブギウギ 登場人物紹介💃】
村山愛助:水上恒司大阪にある日本随一の演芸会社・村山興業の御曹司。鈴子の大ファンだったが、やがてお互いに引かれ合っていく。さまざまな逆境を二人で乗り越え、鈴子の人生に大きな影響を与える運命の相手。#愛助さん pic.twitter.com/DZeLKG7IdT
— 朝ドラ「ブギウギ」公式 (@asadora_bk_nhk) September 2, 2023
「結核用語辞典」によると、奔馬性とは結核の症例のうち、「急速進展例」のことを指します。結核は基本的に結核は一般に慢性の経過をとる疾患ですが、一部には急速に進行し広範な乾酪性、空洞性病変を呈する症例があることから、かつては「奔馬性」という名前がつけられたそうです。
「連続テレビ小説 ブギウギ Part1 NHKドラマ・ガイド Kindle版」によると結核にかかってしまった村山愛助の病状や、死に物狂いで看病する福来スズ子の様子が克明に描写されています。
現在と違って1940年代では結核を治療するための抗生物質(化学療法)が存在しません。人に感染させるかもしれない結核は「死の病」として恐れられ、看病人を探すのもままならない程の病気でした。
それがなんや。まさか、結核や言うたらワテが離れていく思てんちゃうやろな。アホか!こっちからへばりついたるわ。あんたは自分の心配だけしとったらええねん。(「連続テレビ小説 ブギウギ Part1 NHKドラマ・ガイド Kindle版」より)
村山愛助の結核も急激に悪化したか
すでに公開されている「連続テレビ小説 ブギウギ Part1 NHKドラマ・ガイド Kindle版」では村山愛助が亡くなるシーンは描写されていませんが、「ブギウギ」の制作発表時の「あらすじ」では、村山愛助は帰らぬ人なることが明らかになっています。
おそらくは愛助も結核の症状を急に悪化させたのではないでしょうか。
(参考文献)