NHK朝ドラ「ブギウギ」の第3週「桃色争議」は、1933年に松竹楽劇部で実際に発生した労働争議です。
東京の劇団員は水の江瀧子が中心となって神奈川県湯河原の温泉旅館に立てこもり、大阪は飛鳥明子が中心になり、和歌山県伊都郡高野町にある高野山金剛峯寺(こうやさんこんごうぶじ)に立てこもって、ストライキを起こしました。
OSK日本歌劇団の沿革を確認すると、1933年に桃色争議が発生し、大阪の劇団員たちは高野山金剛峯寺に立てこもってストライキを起こしたことが記されています。
桃色争議の大和礼子たちは難波駅に集合し南下
「連続テレビ小説 ブギウギ Part1 NHKドラマ・ガイド Kindle版」によると、会社側と労働条件について話し合うため、飛鳥明子がモデルとなっていると考えられる大和礼子(蒼井優さん)が、ストライキの前に行う会社側の交渉に際して、このように発言します。
明日、最後の話し合いをしに本社に行きます。そこで会社の態度が変わらないようなら私はストライキに入ります。賛同してくれる人がいたら、正午に難波駅に来てください。そのまま山寺に立て籠ります。
「ブギウギ」に登場する梅丸少女歌劇団が本拠を構える梅丸劇場は道頓堀にあると考えられます。
難波駅(南海・近鉄・JR)は道頓堀の南に位置しますので、大和礼子率いる梅丸少女歌劇団のレビューガールが道頓堀から南に下って山寺に籠るとは、大阪から見て和歌山方面にある山寺に向かうと考えられます。
史実では「高野山金剛峯寺」に立てこもったということになっていますので、やはり福来スズ子をはじめとした梅丸少女歌劇団のレビューガールたちが立て籠った山寺とは、高野山金剛峯寺をモデルとしていると考えられます(現在の高野山金剛峯寺は南海高野線・極楽橋駅に下車したのち南海高野山ケーブル・高野山駅が最寄り駅)。
ブギウギ「桃色争議」のロケ 百済寺(滋賀県東近江市)からどこに
2023年4月26日にNHKは、国の重要文化財に指定されている滋賀県東近江市の百済寺で、今秋スタートの連続テレビ小説「ブギウギ」のロケ撮影中、本堂の濡れ縁の一部を破損したことを発表しました。
お寺でのダンスシーンを撮影していたとのことですから、NHK史実であった高野山金剛峯寺のシーンを、当初百済寺で撮影するつもりだったのでしょう。
もっとも撮影の途中で国の重要文化財を破損してしまったことですから、百済寺でのロケはどこか別のお寺で行われたかもしれません。
(参考文献)