オードリー 美月と滝乃の関係は「赤の他人」
朝ドラ「オードリー」では佐々木美月(岡本綾さん・大橋梓さん・岸由紀子さん)は、佐々木美月のことを「お母ちゃま(おかあちゃま)」と呼びますが、血縁関係もなければ、法的な養子縁組の関係にあるわけでもありません。世間的に見れば単なる「赤の他人」です。
佐々木美月との血縁からすると、のちに登場するリチャード佐々木(美月のいとこ)や佐々木春海(美月の姪)の方がよほど近く、また弟・佐々木梓の妻になった萩原晶子の方が姻戚として近い関係であると言えます。
美月の弟・佐々木梓
美月のいとこ・リチャード佐々木
オードリー 美月が滝乃を「おかあちゃま」と呼ぶ理由
ではなぜ吉岡滝乃は佐々木美月に自らのことを「お母ちゃま(おかあちゃま)」と言わしめるほど、強く偏った愛情を抱くのでしょうか?(吉岡滝乃は弟・梓に対しては他人の子同然に扱う)。
理由は「オードリー」の後半で明らかになりますが、美月が1953(昭和28)に生まれる前、吉岡滝乃は一人の男性を愛していました。小説家の麻生祐二です。しかし老舗旅館「椿屋」の主人である滝乃は、麻生と結婚することはせず、旅館の看板を守っていくことを強く決意します。
もちろん一人で過ごすことには寂しさを感じており、そ子に佐々木春夫と愛子が結婚して美月が誕生しました。そのとき麻生祐二に向かうはずの吉岡滝乃の愛情が全て佐々木美月に向かうことになったのです。
こうして滝乃は略奪愛とも言えるほどの愛情を持って自らを「おかあちゃま」と呼ばせ、佐々木美月を「椿屋」の方に取り込むことに成功したのです。
オードリー 麻生祐二とは
オードリーの元ネタ「駿台荘物語」と犬塚雪代さん
なお「オードリー」の元ネタ的には脚本家の大石静さんの幼少期の体験が反映されていると考えられます。大石静さんはエッセイ「駿台荘物語」で、自らも実母と実父がありながら、実家の隣にある旅館「駿台荘」の主人・犬塚雪代さんに養育されたこと、また犬塚さんのことを「おばあちゃま」と呼んでいたことが語られています。
もちろん大石静さんと犬塚雪代さんとの間には何の血縁関係もなく、20才を過ぎた頃に養子縁組をしたとも述べられています(「オードリー」では滝乃と美月の養子縁組は持ち上がるが破談になった)。