京都大学医学部附属病院に入院していた朝倉もみじの父親
朝ドラ「オードリー」の朝倉武雄(髙田次郎)は、朝倉もみじ(三田篤子)の父親で、京都で友禅屋の職人をしています。「オードリー」に登場したときは、膀胱がんが原因で京都大学医学部附属病院に入院したことになっていました(そのため「椿屋」で働いていた朝倉もみじは仕事をしばらく休むことになり、その負担はすべて美月が引き受けることになりますが)。
朝倉武雄は発がん性物質が入った染料を舐めていた
朝倉武雄は体調が戻って退院し、仕事ができるようになるまで回復しますが、病院に入院していたとき「わしの腹の中は七色や」に不思議な発言を繰り返していたようです。
「お腹の中が七色」というのは聞いたこともないようなフレーズですが、着物を染めるために色がついている友禅染の絵筆を舐めているということです。友禅染の職人として色がついた絵筆を舐めて穂先を整えることでぼかしをつけるなど、微妙な色合いを表現しているというのです。つまり朝倉武雄は友禅染の染料を少しずつ食べているに等しい行為をしているのです。
研修医の佐々木梓が友禅染の染料に注目
京大病院の泌尿器科で研修医をしている美月の弟・佐々木梓は「お腹の中が七色」という意味を、朝倉もみじから教えてもらいひらめくものがありました。実は染料に発ガン物質が含まれているのではないかと。実はもみじの祖父も膀胱がんで亡くなっていますので、かなり信ぴょう性の高い仮説です。
梓は研究用に染料を提供してほしいと武雄に頼みますが、にべもなく「自分には関係ない」断られます。
わしらはガンになっても、ならへんでも、この仕事に命賭けてる。命賭けて描くから、きれいなもんができるんや。人間いつかは死ぬ。命惜しんだら、ええ仕事できひん。(中略)染料なんか調べんでええ。帰ってくれ
連続テレビ小説 「オードリー 3」100ページより
余談ではありますが、すでに脳出血で亡くなった二階堂樹里も命を惜しまず女優業に身を捧げてこんな感じのセリフを言っていたような気がします。
佐々木梓とは
佐々木梓の研究によって染料を舐めることをやめた朝倉武雄
結局は梓が武雄を訪ねた翌日に、もみじは「椿屋」を訪れて友禅染めのための染料が入った小瓶を美月に差し出し、梓に渡してもらうように依頼します。この後、梓は寝食を忘れて研究に取り組み、染料は人間の体内に入ったあとに発がん性の物質に変わることを突き止めます。
やがて梓のこの研究は学会で高く評価され、行政がより安全な染料を開発するようにメーカーに指導することになります。また頑なだった武雄の態度も変化が表れ、筆を舐めずに絵を描く方法を考えるように、友禅屋の跡取り息子に指導するようになります。