菊本 自害の理由は下士出身の老女が仕えた事実を消すため。NHK大河ドラマアンコール「篤姫」2023年12月4日月曜日午後6時から放送開始

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NHK大河ドラマアンコール「篤姫」で於一(のちの天璋院篤姫)の老女である、菊本(佐々木すみ江さん)はなぜ自害(自殺)したのでしょうか?菊本は第4回「名君怒る」で、於一が島津本家の島津斉彬の養女となることが決まってから自分は自害するものとして覚悟を決めていたようです。

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菊本自害の理由 菊本は下士の娘で夫も下士だった

大河ドラマ「篤姫」の原作本である、宮尾登美子さんの「新装版 天璋院篤姫(上) (講談社文庫)」によると菊本は、島津家中の下士の娘として生まれて、下士の夫に嫁ぎました。夫と2人の子を亡くしたあと、31歳のときに於一の実母・お幸つきの侍女となったという経緯があります。

以来20年以上、今和泉島津家に老女として仕えてまだ幼かった忠冬・於一の養育にあたりました。本来ならば主家の今和泉島津家から表彰されるほどの働きですが、それでも菊本は自分自身の存在そのものが於一の出世にマイナスに響くと考えたようです。

島津分家の於一が島津本家の養女となるからには、最低でも徳川将軍家ではなくとも、仙台の伊達家や加賀の前田家に匹敵するような家柄の大名家に嫁ぐことは容易に想像できます

菊本自害の理由 自害すれば存在そのものが抹消できる

菊本は自害をするときに3通の書状を書き残しました。1通は殿様であり、於一の実父である島津忠剛(長塚京三さん)、1通はお幸(樋口可南子さん)、最後の1通は於一(宮﨑あおいさん)でした。

このうち島津忠剛は自分への書状を読むなり、激怒して菊本の死体を屋敷の不浄門から出して、菊本の身内に引き渡すよう家来に命じました。「奉公人の死体を不浄門から出す」ということは、菊本を今和泉島津家の家臣であったという記録を抹消することを意味します。

宮尾登美子さんの「天璋院篤姫」によると、菊本は自分が自害すれば、忠剛は「慶事の前のあるまじき振る舞い」として烈火のごとく怒ることを予想していたようです。

菊本は「勝手に自害」としてみなされ、今和泉島津家の公式記録上では、自分は家臣の籍から抜かれることを十分に分かっていました。このように菊本の自害は単に思い詰めただけではなく、自分の死後どのように扱われるかまでを計算した上で自害でした。

(参考文献)

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