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【読書感想】縮小ニッポンの衝撃 (講談社現代新書)

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今さらNHKが「衝撃」と言うことの方がよほど「衝撃」なんですがw 人口動態なんて何十年も前から分かってたことですし。個人的には2005年ごろから日本の社会保障制度に関わりだしているので、内容を読んで特に驚くことはありませんでした。

行政目線でみると…

タイトルを見たらなんとなく想像はつきますが、たいていの人は読んだら暗澹たる気持ちになるでしょう。ただ気持ちが暗澹となるのは、書き手の目線が「行政の視点」に沿っているからだと思います。

  • 人口減 → 住民税の減少
  • 高齢化→ 課税対象者の減少
  • 高付加価値産業の減少 → 人口の減少(給料が低すぎて家族を持つことを諦めてやはり人口減)

要するに「縮小」することは税収減です。確かに自治体としては頭の痛い問題でしょう。使っている経費の約半分は人件費らしいので。

個人目線でみると…

ただこの「縮小」の問題を行政の視点ではなく、「個人の視点」に変えるとどうでしょうか?必ずしも暗澹たる気分になるとは限らないように思います。自分が言っても説得力がないので、絶望老人と言う本を紹介しておきます。この本の主旨を一言で言うと、こんな感じでしょう。

個人の幸せや将来は必ずしもお金ではない。一人一人が自分の人生を決めて行くことにこそ幸せがある

こう言うと何か精神論っぽい話ですが、ルポルタージュ形式で実例がふんだんに織り込まれています。なので30~40代の方が読めば決して精神論ではないことが分かると思います。タイトルを見ると「縮小ニッポンの衝撃」よりも悲惨なイメージを受けますが、それは筆者と出版社のマーケティング戦略か何かでしょうw

「行政の不幸」 ≠ 「個人の不幸」

「行政の不幸」 は必ずしも「個人の不幸」 ではありません。民間人の方が「縮小ニッポンの衝撃」を一冊だけ読んで、悲嘆にくれることはないと思います。別の言い方をすれば、今まで何でもかんでも面倒なことを行政に押し付けすぎていたと言えるかもしれません。

民が官から仕事を奪う絶好のチャンス」、「自分の運命は自分で決める」と言う感じで腹をくくれば、「縮小」することは歓迎すべきことなのかもしれません。本をよーく読んでいるとそういった「希望の光」がわずかに書かれています。どこにそんなことが書かれているか、ぜひ目を皿にして確認してください。ちなみに経済産業省の若手官僚の皆様もそれっぽいことを、スライドを通じておっしゃってます。

ただし、地方公務員の仕事と待遇はギリギリまで削り取られると思います(夕張市では市長の給与手取りが15万円、総務課長の手取りが17万円)。将来に向かって、自分の才覚で人生を切り開く民間人の方が、明るく生きて行けそうな気がして止みません。

【参考サイト】