Linuxだけでなく、同じくオープンソースのブログソフトウェアであるWordPressや、そのコミュニティであるWordBenchに出入りすることが多くなってきました。
そのため読んでいて、「あー。どっかで聞いたことがある!」といった既視感を感じることが多かったです。その既視感を、特に強く感じたところを挙げてみましょう。
Linuxの精神はWordPressの精神は同じ
命令や権力では結びつかない
これ(リーダーシップのスタイルと慣行)は権力関係に基づくものではありえない ― ありえたとしても、脅しによるリーダーシップは、いまぼくたちが目にするような結果を生み出しはしない(P51)
WordBenchやWordCampの活動を観察していると、リアル社会での地位が、そのまま反映されていません。
人間がやっていることだから、まったくないことはないんでしょうが、大企業や役所に見られる命令や規律というものを、あまり感じられません。
「見えざる手」に導かれる
リナックスの世界はいろんな意味で、自由市場や生態系のような動きを見せる。自己中心的なエージェントがそれぞれ効用を最大化しようとして、その過程で自己調整的な自立秩序を生み出し、それはどんな中央集権計画の何倍も複雑で効率が高くなる(P53)
WordPressの公式テーマやプラグインの作者さんのお気持ちや、その作成の過程とだぶる内容です。一見ばらばらにやっているように見えて、ミクロ経済学でいうところの「見えざる手」に導かれて、最終的にクオリティの高いものが、出来上がります。
コミュニティ参加の動機は「自分が面白いから」
リナックスハッカーたちが最大化している「効用関数」は、古典経済的なものではなく、自分のエゴの満足とハッカー社会での評判という無形のものだ(P53)
先ほど挙げた、公式テーマや公式プラグインが、まさしくその典型。誰かにお金をもらってやるわけではなく、「自分が面白いから」という理由でやっている人を何人も見かけました。
まとめ
というわけでLinuxとWordPressでは、ソフトウェアの種類が異なりますが、その文化や考え方は同じです。
この本に書いていることを実際に肌身で感じたかったら、最寄りの地域にある、WordBenchに参加してみましょう。
〔参考サイト〕