「いま君に伝えたいお金の話」は、小学5~6年生ぐらいの子どもであれば容易に理解できるでしょう。ですがこの本の対象読者は小学生だけではありません。毎月支払われるお給料の一部を割いて、これから資産運用を始めようと考えている方にも、ちょうど良い内容です。
「いま君に伝えたいお金の話」を推す理由
「いま君に伝えたいお金の話」はお金の性質や経済のことなど投資について平易な言葉で説明されています。
「人的資産」の活用について言及
ただ平易な言葉で書かれている理由だけでは、この本を他の人にすすめる理由になりませんありません。もちろん以前に村上さんが「村上ファンドのなかの人」だったからでもありません。
この本をわざわざブログで紹介したのは、資産運用の中に「人的資産」の活用についても言及されているからです。
- もはや「会社員は気楽な稼業」ではない
- 自分の人生を守るのは自分
- 会社に勤めないという選択肢
- 自分で新しい仕事を創る
「資産運用」の考え方が広い
これらはすべて「第4章 働き方が大きく変わる(P.89)」で書かれている小見出しの一部を引用しました。ちまたにあふれる「資産運用本」でありがちなタイトルとして、
- 「定年までに●千万円を貯めよう」
- 「老後資産として○億円必要」
といったものがあります。ですがこういった本はたいてい65才から支給される公的年金を前提として書かれています。
公的年金の支給開始年齢が、砂漠で見える陽炎のごとく遠ざかっていく現実を鑑みると、「狭義の金融資産」を運用しているだけでは自分の人生に悔いを残すことになるでしょう。
「狭義の金融資産」と「広義の金融資産」
その点「いま君に伝えたいお金の話」は若い世代に向かって、「広義の金融資産」について説かれています。ここでいう「広義の金融資産」とは、株式・国債や投資信託などの「狭義の金融資産」だけでなく、自分の労働力や人脈も含めて何才まで働くかという「人的資産」も含まれます。
人生の早いうちに「広義の金融資産」の有用性について説く、「いま君に伝えたいお金の話」は極めて良心的な「資産運用本」であると思います。
【関連書籍】「はじめての確定拠出年金投資」
ちなみに、「はじめての確定拠出年金投資」でも「狭義の金融資産」だけでなく、「広義の金融資産」の重要性について説かれています。「いま君に伝えたいお金の話」は「はじめての確定拠出年金投資」と合わせて読むとより一層面白くなるでしょう。