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【読書感想】 教養としての社会保障 #公的年金 #社会保険料

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さすが「介護保険制度を作ったひと」!巷に溢れている社会保障本と一線を画していると思います。社会保障制度が世間一般で理解されない理由として合理的無知の意味がしっかりと説明されています。

社会保障政策は金融政策にも繋がる

社会保障制度は「法律を作ったら終わり」の政策ではなく、財政政策・雇用政策・金融政策、果ては結婚後の生活スタイルなど複雑多岐な問題と密接に関連しています。

例えば月に1回ぐらいのペースで日本銀行総裁が、今後の金融政策について記者会見(新しいタブで開く)で報告されています。実はこの記者会見も社会保障の問題と深く関わっています。

このとき総裁がうっかり口を滑らせて下手なこと(「日本国債の買い入れ額を引き下げます」「ETF(新しいタブで開く)買うのやめます」とか)を言うと、国債の価格が暴落して金利が上昇します。金利が上昇するとどうなるでしょうか?国の財政における一般歳出のうち国債費(国債の利払い費用)が増加します。

国債価格の暴落は国民生活の破綻を招く

国債費が増加すると他の歳出を削ることが予想されます。削減のターゲットとして真っ先に挙げられる歳出が、一般歳出の約3分の1を占める「社会保障費(と地方交付税交付金)」になる可能性があります。社会保障費を安易に削ると餓死者病死者が大量に続出することが予想されます。

社会保障のマクロ的な側面を語ってしまいましたが、だから分かりにくくなるんですよね(苦笑 それでもなお知っておいた方が良いと思いますが。

社会保障政策はPayPal口座にも繋がる

最近、自分のブログでやたらとPayPal(新しいタブで開く)さんのことを取り上げています。実を言うとECサイトに興味があるよりは、その稼いだお金を為替口座として使えることに魅力を感じているからです。

越境ECで稼いだお金をドルとして価値の保蔵ができることは、社会保障の観点から言うと実に素晴らしい機能だと思います。PayPal口座を外貨を保蔵する口座として使えるからです。

老後に備えて●千万円を貯めていたり、高額の公的年金をがっちりもらっていても、円安ドル高が進んだら通貨の価値が毀損してお金をもつことの意味がなくなっていきます。あ。また社会保障について大風呂敷を広げてしまったw

もっとも社会保障問題が理解できれば、日本のウラの仕組みが理解できるようになります。自分の人生の目的を達成する上で、将来どんな目標を立てれば良いのか分かりやすくなります。

年金はもらえます!ただし…

あと、社会保障の問題について言及されたとき、15~64才の世代の方からよく「将来年金がもらえなくなる」ということが聞かれます。ですが、元・厚生労働省年金局長の香取さんはさりげなく「年金が支払われなくなることはない」とおっしゃっています。自分もその意見に同意です。

ただ、単に年金が支払われることと、生活水準が維持されることは全くの別問題として考えた方が良いでしょう。老齢年金の支給開始年齢を25年ぐらい引き上げて1円でもお金を払っていたら、今の日本政府が存続する限り公的年金制度が法律的に破綻することはありません。(新しいタブで開く)

ただ法律的に破綻しないことと経済的に破綻しないことは、まったく異なります。経済的に破綻する事態になれば、年金生活者の生活は立ち行かなくなります。個人的には少なくなとも90才ぐらいまでは現役世代として健やかに働けるよう、頭と体を鍛えておく所存であります。

【参考サイト】