すでに1・2・3巻とバッチリ読みました。4巻の構成はこんな感じです。
- 第1章 日本文化体験編
- 第2章 スウェーデン旅行編
- 第3章 スウェーデン文化編
- 第4章 引っ越しと日常編
日本文化体験編は海外用に切り売りを
今回の感想を一言で言えば、「第1章は海外に向けて切り売りすれば?」です。今だったらKindleにして5ドルで売れるかもしれません。
第1章は大手メディアの記者と取材して、日本文化について感じたことを4コマ漫画のネタです。個人的にはこの章がどうも引っかかりました。必要以上に「日本ヨイショ」目線が入っているような気がするんですよね。
別に「ヨイショ」が悪いと言いたいのではありません。せっかくスウェーデン出身のオーサさんに全国各地の日本文化を体験してもらい、4コマ漫画にするコミックエッセイです。日本語だけで出版するのではなく、スウェーデン語をはじめとして英語・フランス語・ドイツ語のヨーロッパの各言語に直せば、いろいろ「美味しい」のではないかと考えたりします。
- 日本のことがさらに認知される
- ヨーロッパから日本への観光客が増える
- 本もさらに売れる
自分はネイティブ日本人で日本語しか分かりません。加えて海外に行ったことがありません。そのせいか「面白い!」と感じられたのは、2章から4章まです。自分が当たり前に見えることが当たり前に見えなかったりすることや、スウェーデン人の独特の考え方や生活習慣が珍しかったりするので。
現金でバスに乗れないスウェーデン
例えば、スウェーデンでバスを乗るときに支払う運賃は、現金を使えないそうです。現金を使って乗ろうとする法律違反になるとのこと(P96~97)。バス会社のWebサイトに行って切符を購入しないと乗せてもらえないそうです。
ただその切符はまとめ買いしかできないみたいですね(1万円で乗り放題だけど1ヵ月以内に使い切らないといけない)。日本のスイカやイコカのように都度決済はできません。オーサさんのようにスウェーデンと日本を往来している人にとっては不便な仕組みのようです。
昨今「キャッシュレス社会」(経済産業省のPDFに遷移します)という言葉が盛んに使われています。ただオーサさんの漫画を読んでいると「キャッシュレス社会」というよりは、「現金の呪いーー紙幣をいつ廃止するか?」で主張されているように、「レスキャッシュ社会」の方が良いかなぁと感じたりもしました。
単にマネーを電子化すれば良いのではなく、マネーの電子化に合わせて社会(会社・役所などさまざまな場面という意味で)の制度を変えないといけないことがよく分かります。
紙面全てがオーサさんのチョイスになってほしい!
1章の日本文化編を入れているのは、取引先としての付き合いもあるから仕方ないのでしょう。ひょっとしたら一冊の本として体裁を保つために入れたのかもしれません。いつか全ページにおいて、オーサさん自身のチョイスで選んだネタになるように5巻以降に期待です!