「風俗嬢の見えない孤立」と「だから、居場所が欲しかった。 バンコク、コールセンターで働く日本人」を読んでいるとそれぞれ似たような感想になります。先に読書メーターで感想を述べていますので、まずその引用をします。
風俗嬢の見えない孤立 (光文社新書)
「過去にとらわれない」。いい響きだと思う。個人のレベルとしてはどうしても他人の過去を探りたくなるものだ、人情だもん。ただ社会のあり方として「過去にとらわれない」ことは非常に重要なことだろう。そもそも風俗のキャストに限らず、刑務所で懲役刑のお勤めを終えられた方、貧困にあえぐ方など社会との接点を保ちにくい人を取りこぼす余裕などあるのだろうか。「人手不足ガー」といっている割には、そういった方々の取りこぼしをしていることに気づかされてた。あくまで数字ベース、ビジネスベースで問題の解決を図る筆者の態度に大いに共感。
https://bookmeter.com/books/12257247
だから、居場所が欲しかった。 バンコク、コールセンターで働く日本人
国内にいても息苦しいことは重々分かっていることだけど、海外から見たらさらに日本の社会は息苦しい社会であることががよくわかる。何のスキルもなくバンコクで働くことはいかにも「都落ち」しているように見える。だが問題なのは「都落ち」している人ではなく、「都落ち」させている不寛容な社会の方だろう。本書を読んでいるといたることろに、「正社員」・「非正規」・「派遣」などというレッテル貼りのような単語が散見される。身分差別が当たり前の江戸時代じゃあるまいし、「そりゃタイの方が生きやすさを感じるよな」と思った。
https://bookmeter.com/books/11718250
2冊を読んだ後の共通の感想
両書を読み終わった後の感想は「労働力人口が不足している昨今、人の取りこぼしをしている余裕はあるのか?」です。
労働力人口からフェードアウトしていく、もしくはフェードアウトさせられている人たちを「かわいそうだ」ではなく、「もったいない」として捉えるためにはどうすればいいんでしょうかね?
個人的には何が得策なのかよく分かりません。何か前向きご提案をお持ちの方がいらっしゃいましら、ご教示を願います。