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【読書感想】Fintechの法律(その1) ~ 日本の決済サービスについて

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最近、Web界隈の中でも、特にPayPalStripe(新しいタブで開く)の関係者の方とお付き合いすることが多くなってきました。おかげさまで勉強会に出るたびに「決済」にまつわる語彙が増やすことができました。

ですが一方で使われている意味がいまいちはっきりしなくて、決済サービスに関するモヤモヤ感が高まってきたのもまた事実です。そこでこの本を読むことで頭の中をスッキリさせることができました。

日本の決済サービス

現在、EC(電子商取引)の決済事業について、日本の法制度では以下のサービスが認められています。

  • クレジットカード
  • プリペイドカード・電子マネー(電子的決済手段)
  • 収納代行
  • 決済代行・回収代行
  • エスクロー

PayPalの決済は電子マネーと収納代行に相当し、Stripeのサービスは収納代行に当たります。収納代行サービスとは本書のP.236において以下のように説明されています。

収納代行サービスとは、商品やサービスの利用支払いにおいて、商品やサービスの提供者の依頼を受けた事業者が、利用者から利用料金をを受け取り、商品・サービスの提供者に渡すサービスを言います。

収納代行と決済代行・回収代行の違い

個人的には収納代行と決済代行を混同してましたが、本書を読むと両者の違いが分かるようになってきました。決済代行は以下のようにP.236で説明されています。

決済代行サービスとは、ある事業者が提供した商品やサービスの利用料金の回収を、他の事業者が代行するサービスのことを指します。

決済代行・回収代行の具体例をあげると、ダイヤルQ2などが挙げられるでしょう。ダイヤルQ2は電話料金に付随した情報提供事業者の情報料は、原則的にNTTが徴収していました。(「原則的に」と書いたのは、「ナニワ金融道(新しいタブで開く)」で必ずしもNTTが全額回収してくれてた訳ではなかったことが描かれていたので)。

決済方法によって規制が異なる

また、上述した5つの決済方法は法律による規制が異なります。プリベイトカード・電子マネーは金融規制の対象とされるものの、クレジットカード・収納代行、決済代行・回収代行、エスクローのサービスは金融規制の対象外とされています。

対象外のポイントは以下の通りです。

  • クレジットカード : 経済産業省管轄の割賦販売法
  • 収納代行、決済代行・回収代行、エスクロー : お金の支払い手と受け手の間に、商取引に基づく債権債務関係が存在するかどうか

詳細はFinTechの法律 2017-2018 (日経FinTech選書)をご確認ください。PayPalのみなさま、お忙しいところこの記事のレビューをしてくださりありがとうございました!(その2(新しいタブで開く)に続く)