【読書感想】MBAよりも簡単で英語より大切な決算を読む習慣 シリコンバレーの起業家が教える世界で通じる最強のビジネス教養

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さすが百式管理人さんが紹介する本だけあって面白かったです。読んでいて胸がすくような思いでした。ページを進めて行くうちに将来はとても便利で、豊かな社会になるんだなぁとシバタさんの主張の中に入り込むことができました。

目次

今をときめく会社の決算がズラリと紹介

今までにも「決算書読む系の本」を読む機会は何度かありました。だが大概は「可もなく不可もなく」で「ふ〜ん」という印象しか持てませんでした。19世紀から20世紀に成長した重厚長大産業や電機メーカーの決算ばかり見ていたかもしれません。

ですがこの本で決算書を紹介されている企業は、20年ぐらい前は影も形もなかったような企業ばかりです(ただし日本の三大携帯キャリアは除く)。そういった会社が雇用を生み出し、自社と世の中を豊かにしているさまを数字で見ると、「将来は明るい!」と思ってしまいます。

印象に残った会社の決算

その中でも個人的に特に印象に残った会社の決算書や業績を紹介したいと思います。

PayPal Venmo(個人間送金事業)

日本では「決済ボタン」のイメージが強いPayPalですが、米国ではすでに銀行口座と直結した個人間送金事業を開始しています。

例えば飲み会やパーティの「割り勘」をするときに重宝されるでしょう。とりあえず幹事さんは、お会計としてまとめてお店の銀行口座に振り込み、参加者は割り勘した金額を幹事さんの銀行口座に振り込むだけです。普及が進めば公共料金や突発的な税金・社会保険料の支払いにも対応できそうです

  • サービス名はVenmo(ベンモ)で2013年にPayPal傘下に
  • 2015年 10-12月期の決算でVenmoの利用率が前年対比で174%の増加で、2500億円分の支払いを処理した
  • PayPal全体の取扱高に占める割合は5%程度
  • 手数料を徴収するビジネスにはなっていないので、これからどのような付加価値をつけるのかがポイント

Amazon Amazon Web Service(クラウド事業)

以前からブツを売るよりクラウドを売った方が儲かるとは聞いていましたが、はっきりした数字は分かりませんでした。ですが2016年4-6月期の決算を見ると、営業利益率にして約6倍の差があることが分かります。

北米EC事業

  • 売上: 約1兆8,000億円(YoY+28%)
  • 営業利益: 702億円(YoY+102%)
  • 営業利益率: 4.0%

クラウド事業

  • 売上: 約2,900億円(YoY+58%)
  • 営業利益: 718億円(YoY+135%)
  • 営業利益率: 24.9%

サイバーエージェント株式会社(Abema TV)

Abema TVは開局して間もない事業なので、業績そのものは紹介されていませんでした。ですが事業の将来性を感じさせる数値が並んでいました。

  • 開局3ヶ月で500万ダウンロートを達成
  • 開局3ヶ月以内に視聴者数100万人を突破した番組が4つ
  • 1位の番組は157万人が視聴

数字だけを見るとピンと来ませんが、テレビ局の視聴率に合わせると157万人は約3%の数字に相当するそうです。また3%は地方のテレビ局の独自番組でも難しいとのことです。

この本で紹介されている会社が順調に成長したら、地図上で線引きされている国民国家を超えた、「グローバル国家」ができるような感じがしてきます。既存の国民国家は「グローバル国家」に税金を納めてもらうよう、国同士で「法人税の値引き競争」をすることになるでしょう(もうなってるか)。

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