2020年5月ごろ新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、全国的に外出自粛ムードになっていましたね。そのころ自分はずーっと1冊の本を読んでました。
すでに「21世紀の啓蒙 上」の感想はすでに読書メーター上に投稿していますが、結構な分量になりましたのでブログにもまとめておきます。印象が残った章ごとに感想を述べています。
第1章 啓蒙のモットー「知る勇気をもて」
「新コロ」は今までに人類が培った自然科学と社会科学に大きな挑戦を突きつけた。この感染症は過去何世紀にも渡って議論され、ときには血を流して獲得した自由の権利まで脅かしはじめている。今や昨日まで当然のことと思っていた「移動の自由」すら危うい。
アフター・コロナの時代には「高度な民主主義 vs 高度な独裁主義」が待ち受けている。この感想を見た人は第1章を読むことで、「今までに起きたこと」と「これから起きること」の関係についてぜひ興味を持ってほしい。
第2章 人間を理解する鍵
「ピンチをチャンスに」。と言っても最低限度の社会生活を維持するために最前線にいるエッセンシャルワーカーの人にとってそれどころではないだろう。だからこそ時間と金銭的に余裕があるバックエンドにいる人たちはこの本をいま読む必要があると思う。
冒頭の言い伝えには確かに根拠があった。自然界はむしろ不安定な状態の方が物理の法則でデフォルトだった。また人類はサルだったころから不安定な状態を安定な状態に変化してきた。「新コロ」で息がつまるような毎日に一筋の光明を見いだせるかもしれない。
第4章 はびこる進歩恐怖症
民放テレビ局でワイドショー作っている人、P103を読んで→”インテリ文化はネガティビティ・バイアスに対処することもできていない。対処するどころか、ネガティビティバイアスに便乗して得をしている。
つまり誰もが警戒心を研ぎ澄ましているおかげで、実はこんな悪いことがあるんですよと眉をひそめて注意を促すインテリのために、新たな市場が生まれている始末だ。”
第12章 世界はいかにして安全になったか
東京高検・検事長のテンピン問題を見たあとになんとなく読むと次の文章が目に止まった。法曹の人に説教を垂れるほど勉強をしていないので引用にとどめる。
解釈はご自由に→”(犯罪常習者にとって)厳罰は恐ろしいが、それもまた仕事につきもののリスクだととらえてしまう。そうなると厳罰による抑止効果はほとんどない。それよりも、罪を犯すとほぼ確実に罰を受けると考えることのほうが、たとえその罰がさほど厳しいものでなくても、日々の行動選択へより確実に影響を与えるだろう。”(P324)。
「21世紀の啓蒙 下」の感想に続く。