【読書感想】21世紀の啓蒙 下: 理性、科学、ヒューマニズム、進歩

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2020年5月ごろ新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、全国的に外出自粛ムードになっていましたね。そのころ自分はずーっと1冊の本を読んでました。

すでに「21世紀の啓蒙 下」の感想はすでに読書メーター上に投稿していますが、結構な分量になりましたのでブログにもまとめておきます。印象が残った章ごとに感想を述べています。

目次

第20章 進歩は続くと期待できる

最近「アメリカはこれから大丈夫なんか?」と考える人も多くなっているだろう。だが幸いなことに懸念は無用だ。

“アメリカ建国の立役者たちの意図どおり、アメリカの大統領制は持ち回りの君主制とは異なる制度になっている。大統領の仕事は、分散された権力のネットワークを統括することだが、このネットワークは個々の指導者の任期より長く続き、実社会の制約の下で政府の実務を遂行する。それはトップの気まぐれやポピュリストの勢いなどでは、簡単に崩れ去ったりしないものである”(P210)

第21章 理性を失わずに議論する方法

この章のタイトル自体がすでに民放ワイドショーのメシのタネを奪っている。彼らから「理性無視で上等」な態度と政治的指向を取り除いたら何も残らない。日本では言論の自由が保証されている。偏向報道をしても政府から放送免許を取り上げられることはないだろう。

その代わり総務省は放送用電波の使用について自由参入を認めて、もうちょっとましなことを言える事業者が入ってくる余地を認めてはどうだろうか。しょーもないことしか言えん放送局は視聴者によって無視されて自然淘汰されれば良いと思う。

第22章 科学軽視の横行

新型コロナウイルス感染症拡大の第二波に備えて、すべての大人に一度は読んでほしい箇所。

“科学的思考を大事にすることは、その時点での科学的仮説がすべて正しいと考えることでもない。新しい仮説のほとんどは間違いだとわかる定めにある。推測と反駁の繰り返しこそ科学の推進力であり、だからこそ仮説を立て、それが反論に耐えて生き残るかどうかを見る方法がとられている。覆された仮説を取り上げて、これだから科学は信用できないと批判する人はこの点を忘れている。”(P303)

「21世紀の啓蒙 上」の感想も合わせてどうぞ。

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