NHK大河ドラマ「光る君へ」に登場する「放免(ほうめん)」とは検非違使庁(けびいしちょう)の下級役人のことで、主に都で発生した犯罪者の捜索や逮捕を担当します。今でいえば警視庁の警察官に相当します。
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令外官の検非違使庁とは
元々、都の治安は律令制のもとで弾正台(だんじょうだい)という役所が担当していましたが、9世紀ごろからすでに機能しおらず、「光る君へ」の舞台となった10世紀には律令制の外で発達した「令外官(りょうげのかん)」と言われる検非違使が、弾正台に代わって警察力を発揮するようになっていました。
15歳の藤原道長は検非違使庁の「次官」に相当する位を持っていた
NHK大河ドラマ「光る君へ」では放免たちが誤って15歳の藤原道長(柄本佑さん)を逮捕しますが、すでにこのとき道長の位は「従五位下右衛門権佐(じゅごいのげうえもんのごんのすけ)」。この位は検非違使庁の「佐」、現代の言葉に直せば「次官」に相当します。
道長の父親・藤原兼家(段田安則さん)が家司(けいし)の平惟仲(佐古井隆之)を差し向けて道長を解き放つとき、看督長(かどのおさ・看守)は道長に対して丁寧に詫びたとしていますが、当時の身分差を考えれば、当然のことでしょう。