「聖泉真法会」のナンバー2である教主の矢口誠（大東駿介さん）は持病のぜんそくが悪化し死亡します。矢口は教祖の鈴木正彦（青柳翔さん）から、たびたび病院に行くよう強く言い渡されたり救急車を呼ばれようとされますが、それらをあえて断りぜんそくが悪化することを放置していました。
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仮想儀礼の矢口誠はぜんそく持ちだった
矢口誠のぜんそくが急速に悪化した時期は、「聖泉真法会」が脱税スキャンダルで世間から叩かれ、徳岡雅子（松井玲奈さん）・伊藤真実（川島鈴遙さん）・如月秋瞑（美波さん）などの数少ない女性信者たちと、西日本に向かって逃避行を続けていました。
この頃すでに「聖泉真法会」は管理売春や住居不法侵入・ナンバープレート偽造などの犯罪を繰り返しており、もし矢口誠が病院で自分の身元を話せば、教団とのその一行は確実に警察に捕まるというところまで追い詰められていました。
矢口はそのことを十分に分かった上で、自分が作った宗教とその信者たちを匿うために、病院で医師の治療を受けることを拒否していたのです。
仮想儀礼 矢口誠の死ぬときの様子（原作より）
女たちの頭を抱いて、矢口は半眼のまま、唇を動かしている。
そうした状態がどれだけ続いたのか、正彦にも記憶がなかった。
ただ気付いたとき、矢口のどす黒い顔は、蝋のような白さに変わっていた。
一人の人間の生から死へというあまりに大きな変化に気づかないかのように、女たちはまだ、経文を唱えながら矢口の体に取りすがっている。
（「仮想儀礼（下）」 576ページより）
