NHK朝ドラ「ブギウギ」のヒロインのモデルとなった笠置シヅ子さんには義理の兄弟が7人おり、そのうち名前がわかっているのは兄の頼一・正雄と弟の八郎です。おそらく花田六郎というキャラクターは、義弟の亀井八郎さんをモデルとしているのでしょう
花田鈴子(趣里さん)のモデルである笠置シヅ子さんは亀井音吉・うめ夫妻の娘とされていますが、実の娘ではなく、養女です。そのため笠置さんが幼少期に一緒に過ごした兄弟というのは、全て義理の兄弟です。
モデルは亀井頼一・正雄・八郎兄弟 「ブギウギ」は武一・六郎兄弟に
笠置さんの自叙伝である「歌う自画像」で名前がわかっている義理の兄弟は兄の頼一・正雄と弟の八郎の3人になっていますが、朝ドラ「ブギウギ」の中では2人の兄弟に変わっています。兄の武一は鈴子が3歳の時に死んだとされ、鈴子の3歳下に六郎という弟がいるという設定になっています。
【#ブギウギ 登場人物紹介💃】
花田六郎:黒崎煌代(こうだい)鈴子の3歳年下の弟。ちょっとぼーっとしたところがあるマイペースな性格。拾ってきたカメをペットにしていて、いつも一緒にいる。#六ちゃん pic.twitter.com/21yxTPzDqV
— 朝ドラ「ブギウギ」公式 (@asadora_bk_nhk) September 3, 2023
亀井八郎さんは1941年に仏印で戦死 「大空の弟」のモデルに
亀井八郎さんは1938(昭和13)年1月8日、四国・丸亀の陸軍第11師団で徴兵として召集されます。そのとき八郎さんは笠置シヅ子さんにこう伝えたそうです。
生きて帰れるかどうか分からん。姉ちゃんに押しつけるようで気の毒だが、僕に代わって家のことはあんじょう頼みまっせ(「歌う自画像」より)
何やら遺言めいた伝言ですが、残念ながらこの伝言は遺言となってしまいます。亀井八郎さんは1941(昭和16)年、仏印(フランス領インドシナ・現在のベトナム)の海上で戦死をしました。
亀井音吉・うめ夫妻には実の子が7人いたと言われていますが、八郎さんの戦死で亀井家の実の子はすべて亡くなってしまいます。陽気だった亀井音吉さんも八郎さんの戦死の報を聞いたときには流石にがっくりきたようで、天王寺の住居を引き払い、すでに東京に進出していた笠置シヅ子さんと三軒茶屋で2人暮らしを始めたそうです。
朝ドラ「ブギウギ」では第8週「母の死」で六郎が出征していき、第10週「開戦」で六郎の戦死公報が鈴子のもとに届くという描写があります。
(参考文献)