NHK朝ドラ「ブギウギ」で登場する、ヒロイン花田鈴子(趣里さん)の母・花田ツヤ(水川あさみさん)のモデルは亀井うめさんです。ただし亀井うめさんは笠置シヅ子さんの実の母親ではなく、養母です。つまりの笠置シヅ子さんとは血の繋がっていない育ての母だったのです。
【#ブギウギ 登場人物紹介💃】
花田ツヤ:水川あさみ香川生まれ。いつも番台に座っていて働いており、銭湯経営の屋台骨を支えている。しっかり者で、義理と人情を大切にしている。子どもたちのことを第一に思う優しい母。#ツヤさん pic.twitter.com/AJOyW9EBnH
— 朝ドラ「ブギウギ」公式 (@asadora_bk_nhk) September 3, 2023
笠置シヅ子さんの養母を買って出た亀井うめ
笠置シヅ子さんは1914(大正3)年に香川県大川郡相生村(現在の東かがわ市)で、父・住友菊三郎さんと母・鳴門いとさんという両親のもとで生まれます。ですが父の菊三郎さんは若くして亡くなり、母の鳴尾さんもまだ20歳にもなっていない若年で、体つきも弱く母乳の出も悪かったそうです。
笠置シヅ子さんが生まれたとき、たまたま亀井うめさんも次男・正雄の出産のために、引田町の実家に帰省していました。
この亀井うめさんは、大変な人情家かつ世話好きな人だったそうで、乳が足りなくて泣いていた笠置シヅ子に自分の乳を含ませていたそうです。そのうち亀井うめさんは、笠置シヅ子さんに情がうつり、自分の生活も成り立たない鳴門いとさんから笠置シヅ子さんを貰い受け、亀井家の養女として迎えたそうです。
このとき笠置シヅ子さんは「亀井ミツエ」と名付けられ、小学校へ進学する頃には「亀井志津子(のち静子)」と戸籍名を変えました。
朝ドラ「ブギウギ」でも花田鈴子(福来スズ子)の出生秘話については、笠置シヅ子の実話をベースにして「第4週 ワテ、香川に行くで」と「第5週 ほんまの家族や」で語られるようです。
亀井うめは慈愛に満ちた母
笠置シヅ子さんにとって、養母の亀井ウメさんは慈愛に満ちた母そのものだったようです。笠置シヅ子さんが自らの半生を綴った「歌う自画像」では、たびたびの亀井うめさんとの思い出を語っています。
大阪・福島から天王寺までの往来で買ってくれた渦巻きパンの話や、米騒動のあおりをくらって大阪市内を逃げ回ったときに、母が必死に庇ってくれたこと、日本舞踊のお師匠さんのところで踊りを習うよう勧めてくれたことなど、笠置シヅ子さんの人生の基礎を作ったことが紹介されています。
NHK朝ドラ「ブギウギ」の小説版「第1週 ワテ、歌うで!」では、福来(花田)鈴子が花田愛子(モデル:亀井ヱイ子さん)に愛情を注ぐ姿が描かれますが、その姿の半分は養母・亀井うめが形作ったものかもしれません。
花田ツヤの死因はがん(参考ページ)
(参考文献)