NHKプレミアムドラマ「家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった」で、主人公・岸本七実の弟役で登場する岸本草太(吉田葵さん)とは、岸田奈美さんの実弟・岸田良太さんがモデルとなっています。
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神戸市北区「赤べこ事件」のモデル 岸田良太さん
その草太のモデルとなった岸田良太さんは、ダウン症です。人間が持つ21番目の染色体が、本来2本しかないところ3本あり、生まれついての知的障害があります。
「知的障害がある」と言うなんとなく「何かが欠けている、何かができない」と言うイメージがあるかも知れません。ドラマの原作となったエッセイ「家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった +かきたし (小学館文庫 き 16-1)」を読んでいると、実の姉である岸田奈美さん自身も作中で「良太にはできないことがたくさんある」ことを認めています。
ですが良太さんは何もできないわけではなく、むしろ周りの人が良太さんに何かをお願いしている世界が目の前に広がっています(「おばあちゃんに代わってペットボトルの蓋を開けてあげる」。「兵庫県から乗った電車が滋賀県に着いたらお姉さんを起こしてあげるとか」)。
すっごい大それたことをやっているわけではありませんが、良太さんの行為が日常生活に上手く溶け込んでいるような表現は、なかなか面白いと思います。
ぜひドラマ版「家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった」もこのような岸田奈美さんの目線を表現してくれたらなと思います。