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【感想】IPAのIT人材白書2014~Web業界でのスキルアップと「飲み会」の意外な関係について

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はじめてWebアプリを作ってみようかと思う人にとって、必要な技術をどのように学習していくことは、結構な悩みの種でしょう。

私自身も、どのように学習していくかについては、エコテキブログを書きながら、たびたび考えてきました。

そこで今回は、Web業界初心者に向けて「スキルアップ」の意外な方法について、お話をしましょう。

「スキルアップやキャリアアップのために取り組んでいること」は何ですか?IPAのアンケートより

先日、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が発行している、IT人材白書2014(新しいタブで開く)
を借りて読むことができました。すると、Web技術者を含むIT人材が、どのように自主的に学習しているか、興味深い質問とその調査結果がのっていることに気がつきました。

【質問名】

  • 「スキルアップやキャリアアップのために取り組んでいること」(複数回答可)

【調査対象者と回答者数】

  • ウェブ技術者 501名
  • IT企業IT技術者 1006名
  • ユーザー企業IT技術者 1004名

業界で従事する人数からすれば、この回答者数は、ごく限られた人でしょう。アンケート調査で全てを語りつくせませんが、IT(Web)人材がどのようにスキルアップに取り組んでいるか、ヒントは掴めそうです。

肝心の質問に対する回答項目は、8つほどあります。ただし、学習方法に関する特徴が表れている回答は4つしかありません。それぞれ4つの回答を選択した割合が、多いと思われる順に挙げていきましょう。

1.雑誌や書籍、ウェブサイトを通じた独学・情報収集

専門書・関連書を読むだけでなく、いわゆる「写経」とか「ぐぐる」とかいうやり方も含まれているでしょうね。

  • ウェブ技術者→78.0%
  • IT企業IT技術者→69.3%
  • ユーザー企業IT技術者→69.4%

2.社内の研修・セミナー等への参加(eラーニングを含む)

通常の業務を離れて行う教育訓練(OFFJT)のことだと思います。IT系やWeb系以外でも、多くの企業で行われている「王道」のスキルアップでしょう。「社外の研修・セミナー」についてもだいたい同じくらいの割合でした。

  • ウェブ技術者→25.9%
  • IT企業IT技術者→31.0%
  • ユーザー企業IT技術者→24.3%

3.社外コミュニティ・活動への参加

具体的な例を挙げると、WordPressWebディレクション(新しいタブで開く)のコミュニティや勉強会に参加することでしょう。

  • ウェブ技術者→10.6%
  • IT企業IT技術者→2.8%
  • ユーザー企業IT技術者→6.4%

4.自宅からのオンライン学習

今、流行りにプログラミング学習が代表例かと。ドットインストールとかCODEPREP(新しいタブで開く)とか。

  • ウェブ技術者→9.2%
  • IT企業IT技術者→6.7%
  • ユーザー企業IT技術者→6.2%

意外と少ない「社外コミュニティ・活動への参加」

スキルアップの手段として、「社外コミュニティ・活動への参加」と「自宅からのオンライン学習」の割合が意外と少ないですね~。

IT業界やWeb業界は、技術の変化がとんでもなく速い業界です。たしかに、会社の社内や社外で組織的な研修を受けるよりも、個人的な独学で、小回りの利いたスキルアップを目指すのは分かります。

ただ、独学だと自分の思考の枠内でしか、調べられません。その思考の枠をはずれるような問題にあたると、全く対応ができないことがデメリットです。

機会費用を考えるとスキルアップには「飲み会」が安上がりな方法

先日、WordCamp Kansai2014で、やたら難解な用語が並ぶ、セキュリティ対策のセッション(新しいタブで開く)で、登壇されたスピーカーの方がおっしゃってました。

  • 「セキュリティと飲み会(懇親会)は意外と重要な関係がある」

正直、WebサイトやWebアプリのセキュリティについて、真剣に対応しようとすると素人ではムリです。独学でやろうとすれば、それこそ自分の半生を費やす覚悟はがあるかどうか、まず問わなければならないでしょう。

本気でセキュリティ対策をしようとすれば、コミュニティに参加して、セキュリティに詳しい人とお友達になってくる方が、手っ取り早いと思います。

目に見える費用(勉強会への交通費とか懇親会費とか)は発生しますが、自分自身でやってドツボにはまる機会費用を考えるとトータルでは安いはず(といってもセキュリティに関して何の必要もないというわけではありません。悪しからず)。

Web上のサービスはその気になれば、個人でも始めることができます。だから「独学だ!」という気持ちも分かります。ですが限界もでしょうし、苦しくなったら「社外コミュニティ活動への参加」もありと思ったりします。